臨床心理学

中学生・高校生に「心理学」の授業は必要なのか?

投稿日:

先日のエントリ、教師が臨床心理士資格を取得するということ(06/04/17)にたくさんのコメントをいただいております。コメントしてくださった方、ありがとうございます。引き続きそちらの方でのコメントをお待ちしております。
中学校の教員であり臨床心理士資格を取得したそらさんからは、こんなコメントいただきました。

総合学習の選択学習でフロイトやユングの紹介をしたり、防衛や逆転移を例を挙げたり、人間関係トレーニングを行ったりして、心理学的支援をすることで、興味を持ってくれる生徒もいます。

(選択とはいえ)中学の授業で精神分析学の基礎を教えている…と。
で、同じく教員のゆうこさんも

心理系の科目ですが、総合学習ではなく「心理学○○」という独立した科目です。2単位ものの通年科目です。指導要録にも載ります。

とのこと。


うーん…
タイトルでも書いたのですが、中学生・高校生に「心理学」の授業は必要なのでしょうか?
確かに思春期・青年期ってのは「自分は何者なのか?」なんて問題に目が向きやすい時期であり、そういう時期の彼ら・彼女らにとっては「心理学」なんて言葉の響きは、何か非常に魅力的なものに思われるかもしれません。そりゃあ食いつきも良いことでしょう。受験のための勉強とは興味の度合いも違うでしょうから。
でも、その授業を行う「意義」って一体何なのですか?
心理学を学ぶことで人間関係がうまくいくようになる?
そんなんだったらカウンセリングやら心理療法やらなんてものは必要ないでしょうね。それでうまくいくのであれば、単純にクライエントに心理学を教えればいいわけですから。
心理学に興味を持たせるため?
高校の時から「積極的に」(←ここ大事)偏った知識を与えるのことが、将来の心理学徒にとって良い影響を与えるとは思えないのですが…。確かに私も入り口は精神分析系の新書だったりしたわけですが、それは自分から好きで読んでいたものです。私が中学生の時分にそらさんがおっしゃっているような授業があったとしたら、私は喜んでそれを受けていたであろうことは容易に想像できますが、それでもし入る大学を間違ったら、明らかに偏った「カウンセラーなりたい子ちゃん」になっていた可能性は否定できないです(で、そうなっていたら、恐らく今の私は存在していないと思います)。
生徒が興味があるのなら自分で本を読むなり何なりすればいいわけで。「望まれるものだから与える」というのが教育的な態度なのか…私は教育者ではないので明言はできませんが、少なくともいつもそれがうまくいくとは思えないです。
穿った見方をすれば臨床心理士資格を取得して、自分がやりたいから・自分が学んだことを活かしたいから、その授業やるんじゃね?とか思ってしまったりするのですが、いかがでしょうか?>そういう授業をやっている教員の皆様
もしそうだとしたら、それは(選択授業とは言え)「押しつけ」になってしまわないのでしょうか?それは「教員が『やりたいから・学んだことを活かしたいから』SC的な役割をとる」ということとどう違うのでしょうか?
その他の方のご意見もおうかがいしたいところです。

疲れ気味のロテ職人に癒しのワンクリックを→人気Blogランキング

-臨床心理学

Copyright© ロテ職人の臨床心理学的Blog , 2024 All Rights Reserved.