臨床心理学

今までその程度の知識もなかったってこと?~摂食障害関連本のご紹介など~

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心理学系の大学院進学を目指す人を対象とした専門予備校「ファイブ アカデミー」代表の斉藤さんのブログ、あなたも臨床心理士になれる!で、こんなエントリが8/21にアップされてますよ。
拒食症の診断
詳細な内容はリンク先をご覧いただければと思うのですが、内容は8/15の朝日新聞の記事を受けてのものでした。
拒食症の早期発見に初指針 体重成長曲線や脈拍数に注目asahi.com
当該エントリの記述をコピペしますよ。

新聞では、厚労省研究班の主任研究者、渡辺久子さん(慶応大学講師)のコメントが、次のように紹介されていました。
「拒食症は、早期に発見され治療を始めれば治りやすい。反面、重症になってからの治療は10年、20年とかかることもある。学校現場で端緒をつかむことが重要」
・・・と、学校現場の重要性を指摘しています。
拒食症は、実際には極度に痩せていても、本人はもっとやせる必要があると思っているので、自ら治療を始めようとすることはあまりないと思われます。
でも、重症になると、栄養が不足して生命の維持すら困難になることもあります。ですから、養護教諭やスクールカウンセラーなどが対応するだけでは限界があり、うまく医療機関に繋げて治療していく必要があります。

この記事でとりあげられているのは、体重成長曲線や脈拍など健康診断で把握可能な生理的指標であり、ここでいう「学校現場」のメインターゲットはスクールカウンセラーよりもむしろ養護教諭なんですが、おっしゃっていること自体は同意します。
続き…

本当は、一番はじめに気づくことができるのは、家庭かも知れません。でも、家族関係が複雑であったり両親が問題を抱えていたりする場合もあるので、そのような時は、学校の役割が重要になります。

なんか、この記述からは「摂食障害の人の家庭には問題がある」という誤解を受けそうですが、まあそういう「場合もある」ですからね。

学校で対応しなければならないことが増えていて、教職員の負担はほんとうに増えていると思います。スクールカウンセラーも、不登校など限られたことだけではなく、幅広い問題に関わらなければなりません。

…これ、すげえ当たり前のことであり、今さら述べるまでもないことだと思っていたのですが…

スクールカウンセラーがはじめて問題の兆候に気づくこともあるでしょうし、ますます広い知識が必要になってきているのではないでしょうか。

摂食障害に限らず、精神科臨床などに関連したある程度の知識は、学校現場で働く心理職にとっても「持ってて当然の知識」だと思っていたのですが、ひょっとしてそういう私の認識は甘過ぎですか?その程度の知識も持っていない人がスクールカウンセラーとして学校現場に入っているなんて、恐くて仕方がないんですけど…というか、今さらこんな提言をする意味がよくわからないわけで
ちなみに以前ご紹介した摂食障害関連の書籍

4791104641 みんなで学ぶ過食と拒食とダイエット―1000万人の摂食障害入門
切池 信夫

星和書店 2001-12
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この本では一般向けの本であり、ダイエットをしている人(って俺のこと?)・摂食障害の予備軍・摂食障害に陥っている人に対しての啓蒙の他、家族や学校の先生、そして摂食障害の友人を持つ児童・生徒に対して、摂食障害の人に対してどのように接すれば良いのかといったような提言もなされています。
また、摂食障害の家族心理教育に関する試みも最近は広がっています。

4772406433 摂食障害の家族心理教育
後藤 雅博

金剛出版 2000-03
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4832702963 家族で支える摂食障害―原因探しよりも回復の工夫を
伊藤 順一郎

保健同人社 2005-06
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統合失調症の家族心理教育などもしばしば行われています。「家族心理教育」とは家族が疾患に対する正確な知識や情報を得ることで、スティグマや自責感を軽減し、対処能力やコミュニケーション能力の増大を図り、社会的孤立を防ぐことなどを通して、家族と本人のエンパワーし、再発・悪化の防止に役立てようとするプログラムのことです。
摂食障害の治療には多方面からのアプローチが有効な場合も多く、その中で心理教育的アプローチは役に立つものであると言えるでしょう。
興味のある方はご覧ください……って何の話でしたっけ?あ、思い出した。
とりあえず精神医学の知識がない人間がスクールカウンセラーやってちゃダメでしょ。てか、そういう輩は学校現場に限らず心理臨床実践に関わってちゃダメですけどね。上記の斉藤さんが書かれた文章を読むと、あたかもこれまでのスクールカウンセラーはその程度の知識も持っていなかったかのような印象を持ってしまうのですが、まあ、その辺はきっと私の誤読なんでしょう。
きっと受けつけてもらえないと思いますが、一応トラックバックしてみますかね。

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