心理系の本ではないのですが、ちょっと興味があったのでチェック。
最近、ネットがらみのご縁で、学術書を出されている出版社の方とお話しさせていただく機会がちょこっとあったりしまして。で、そういう方と話してて思うのが「この人、頭いいなあ」とか「この人、仕事できるなあ」ってことなんですよね。
いや、もちろんそうじゃない方もいらっしゃるのだとは思いますが、非常に興味を惹かれると言いますか…なんか逆に一介の臨床心理士でしかないワタクシが、偉い先生方と繋がってたりもするこういう人達とおつきあいさせていただいていいのだろうか?的な考え(いつもの被害妄想?)も出てきたり。
それだけじゃなく仕事上、「本」とは切っても切れない関係にある我々ですし、やっぱり学術出版の内側というのは気になります。
そんなこんなでこちらの本。
本を生みだす力 佐藤郁哉 芳賀学 山田真茂留 新曜社 2011-02-17 |
◆学術出版をフィールドワークする◆
市場規模という点では極小の出版産業から生み出された本が、時には社会を変革し、歴史を動かす原動力ともなってきました。本にははかり知れない可能性がありますが、ここ十数年、特に学術書をはじめとする「堅い本」は、深刻な出版不況にさらされています。この危機は、出版だけでなく学術コミュニケーション全体の危機ともつながっています。
本書は、ハーベスト社、新曜社、有斐閣、東京大学出版会という、規模・形態を異にする4つの出版社の事例研究の成果です。学術書の刊行に関わる組織的意思決定の背景と編集プロセスの諸相を丹念に追いつつ、学術出版社が学術知についての品質管理をおこなう上で果たしてきた「ゲートキーパー」としての役割とは何か、そこで育まれる出版社、編集者の組織アイデンティティはどのようなものかを明らかにしました。
電子本と「ファスト新書」の時代、学術的知の未来に関心のあるすべての読者・著者・出版者にお届けします。
という感じで、社会学の本ですね。
出版社のサイトには目次と「はじめに」が載ってます。
ケーススタディの対象となるのは、編集者でもあるオーナーが大半の業務を一人でこなす「ひとり出版社」、社会科学系の中堅出版社、およそ一〇〇名の従業員を擁する大手の学術出版社、日本における代表的な大学出版部、という四社である。
そんな感じで、学術書に興味がある人であれば面白いんじゃないでしょうか。
ただ値段がちょっと…お高いっす。自分的には気軽にポチっと買えちゃう額ではないのですが…。
ともあれ、興味がある方は是非どぞー。