臨床心理学

大学院の選び方…?

投稿日:

旧ブログ(livedoor)の方にdonさんからコメントいただきました。旧ブログはコメントを書ける状態になっておりますが、実は私が承認しないと表示されない設定になっています。
ただ、既にブログは移転済みですし(向こうにもそう明記してあります)、書かれるコメント及び送られてくるトラックバックは100%に近い確率でスパムのみですので、原則として表示はしないまま削除しております。
どういう意図でdonさんがそちらにコメントされたのかはわかりませんが、せっかくくださった長文コメントですし、もったいなのでこちらで扱わせていただきます。
ちなみにコメントいただいたエントリはこちら(現ブログのURLで)。
内部枠って何?~こんな大学院はダメダメだ!Vol.1(05/08/28)
コメントを引用しながらリコメントしたいと思いますよ。

皆さんの論議をお聴きしていて聊かさみしい気持ちにさせられています。そもそも大学院というところは大学の名前で選ぶところではなくそこにどれだけ師事するに値する指導者がいるかどうか出決めるところであるはずです。とりわけ臨床の場合はそうだと考えます。
従って、臨床家養成大学ではいかに優秀な指導者を確保するかが問題になります。わたしはそのひとを目指して幾人の受験者が集まるかと言う視点で大学側は人材を確保すべきであると考えています。つづく・・・。

えーと…何か勘違いされていませんか?
05/10/11のエントリ、【旧帝大とか】勘違いしている人がいる【そういう話】でも述べているように、私は「大学院を大学の名前で選べ」なんて言ったことはありませんし、これっぽっちも考えたことはありませんですよ。
donさんのような方からコメントしていただけるのは大変光栄であり、うれしいのですが、できればちゃんと文章を読んでからお願いします。
もちろん、donさんがおっしゃる通り「師事するに値する指導者がいるかどうかで決める」のは当然だと思います。…というかそれ以外に何がありますか?

進学を決める際に受験者にお願いしたいことがあります。自分の興味を持っている領域で最も優れた指導者がおられるのはどの大学か?その指導者にはどのような業績があるか、その人は誰の弟子で過去にどのような弟子をそだててきたか?臨床心理学関連のところでは守秘義務と称して学会に学部生の参加を認めていませんので、その人の著書を丹念に読むしかないでうね。図書館や本屋さんに足繁くかよって先ずは良書を手にいれましょう! つづく・・・・。

理想としては(というかその程度のこともしないでわかるはずはないと思うのですが)、つこうと思った先生の業績くらいは全て把握しておく必要があると思います。もちろん一流の研究者であれば膨大な数の業績になるでしょうから、少なくともfirst authorの論文がいくつあるか、そして主要なものに目を通すくらいはするでしょう…。
…てか、それをしないでどうやって大学院を選ぶのですか?と聞きたかったりもします。
たまに「私が研究したいことをやってる分野で有名な先生だから」ってことだけで選んでいる人もいます。それはもちろん大切ですが、研究テーマは変わる可能性もあるし、一見似たようなテーマであっても実はやりたいことと違っていたり、あるいは別の研究テーマでやってる先生のところの方がやりたい研究ができる可能性はあります。
そういう意味でも業績をチェックするのは必須でしょう。

院を決めるのはそれからの話です。それからその大学の院生を探り出し、情報を得ることです。世間的に名の知れた学者、臨床家にも以外に食わせ者が多いことはその大学の院生にお聞きになればわかります。院に入学して、自分の指導者の実力を見抜くのには半年もかかりませんので、ダメだと言うことがわかったら、授業料や時間は惜しいのですが、すぐにでも退学してより良い指導者の折られる院を目指しましょう!良い師にめぐり合えるかどうかがあなたのその後を決定します。 

概ね同意します。
ただ、「実力を見抜くのに半年かかる」とありますが、それは実力を持った人の考えであって、学者・臨床家の実力を見抜くのにもそれ相応の実力が必要だと思いますよ(「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」って言葉もありますしね…ちょっと違うか?)。
耳障りの良いことを言う教員はたくさんいると思いますが、それが教育上、必ずしもプラスになるとは限りません。時に厳しく、時に学生から嫌われるような指導をしなければいけない場合もあると思います。
ぬるま湯のような環境で育ったところで、まともな臨床家・研究者になれるとは到底思えないのですよね。でもそのぬるま湯のような環境から「優しいいい先生」「臨床家としてすごい人」「人格者」と思ってしまう学生もいるかもしれません。
…って考えると、やっぱり能力のない学生には志望して欲しくないし、能力のない教員は教員にならないで欲しいし、そして自分自身も能力のない臨床家・研究者として淘汰されたくないと思ってしまうのでした。
…あ、ついでにこういう状況を作る元凶となったお偉いさんたちの責任は非常に重いとも思います(ってわざわざ書かないとわからない人もいると思うので書いてみた)。

良かったらワンクリックお願いします学問・科学ランキング

-臨床心理学

Copyright© ロテ職人の臨床心理学的Blog , 2024 All Rights Reserved.