臨床心理学

心理職に向いていない人をふるいにかける

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※コメント欄にてご指摘ありましたので、タイトルを「ふさわしくない」から「向いていない」に変更いたしました(07/04/24 18:00)
ちょっと(いや、結構?)前の話になってしまいますが、nocteさんの心の探求、あるいは夜の世界からトラックバックいただきました。
新入生
で、その中に気になることが書かれておりましたので、コピペいたしますよ。

あれからいろいろと考えて、私が考えていたことと、つなでさんやロテ職人さんが考えていたことには決定的な違いがあったのだろうと思った。それは多分、2人がどのようにして臨床心理士(ないしはそう呼ばれうる職種)を育てるかということを論じているのに対して、私はこの仕事にふさわしくないと思える人々をどのようにしてふるいにかけるかということをどこかで考えていた、ということだと思う。


ふむ…そう思われていたというのは実は心外…は言いすぎですね…意外だったりします。それは私も「ふるいにかける」ってこと、かなり意識していたりするからです。


このブログのどっかにそういうことを書いてなかったかなぁ…と思って探してみたら…
多分これかな?
ぼくのかんがえたりそうのりんしょうしんりしようせいかてい その3(06/03/06)
私の考える理想の臨床心理士養成課程Vol.2(06/08/03)
この辺の過去ログも含めて、私は一貫して「粗製濫造を防ぐためにはどうすればいいか」ということを考えてきました。
現在、(一時よりも落ち着いたのかもしれませんが)志望者はたくさんいますが、それは結局能力の低い心理職を大量に輩出してしまうという粗製濫造状態につながってしまっています。
で、粗製濫造を防ぐにはどうすればいいかというと、結局志望者をどんどん絞っていかなければならないわけです。
それっていうのはつまり、「向いていない人、ふさわしくない人をふるいにかける」ということと同義なのではないかと思うわけですよ。

とは言え、「じゃあどうやってふるいにかけるのか?」となると、客観的な基準がないととりあえずは難しいとも思うのです。そしてそこで出てくる客観的な基準とは、とりあえずは「研究能力」なのだと思うのです(これは上記過去ログで触れていることですが)。
んでも、きっと「研究能力」でふるいにかけるだけでは、恐らく振り落とせるのは「向いていない人」の中の半数程度でしかないと思います。そしてもっと重要なのは「臨床能力」であるということもわかっています。
じゃあ、どうやって「臨床能力」を測定して、ふるいにかけるか…となると、今のところは結局明確な方法というのはないのですよね。…「今のところは」というか、恐らくその方法は今後も確立されることはないのだと思います。
あえてふるい落とすとすれば(私の理想の養成課程という話に基づいて言えば)仮免取得後の研修で、ということになるかと。実際に現場に触れさせて、そこで明らかになってくることもたくさんあるだろうし、また本人の中でも様々な思いというのは出てくるはずです。その中で「どうしようもないくらい、誰が見てもわかるくらい臨床能力が低い人」だけふるいにかけることができれば、まあいいのかな、と。

で、ふるいにかけて落とされたとして、その人が他の道を探せるような段階だったらいいんですが…大学4年と大学院修士課程2年終わりかけているような段階で「あんた向いてないから他の道探しなよ」と言われても、これはかなりキツイとも思います。「再チャレンジ」なんて言っても、そんな人をなんとかできるような経済的な基礎体力は今の日本にはまだまだ欠けているんじゃないでしょうか。
だからこそ、できるだけ早い段階でできるだけ多くふるい落としておいた方がいいのはいいんですが…でもこればっかりは難しい話だなぁと思う次第でありますよ。
とりあえず教育とか養成課程とかについてはこれからも私なりに考えていきたいところでございます。

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