心理臨床家の子育て

投稿日：2005年2月19日

携帯から投稿。

心理臨床家の子育てが何か特別かと言えば、まったく特別なところはないと思うんですよ。だって我々は心理臨床の専門家ではあっても、子育ての専門家ではないんだから。なので子育てとSSTの記事で書いたように「そういう仕事してるから」と言われても違和感を感じるわけです。

それと同じく心理臨床家だからいい人に違いないと思われるのは心外だし、人格者じゃないとすぐれた臨床家にはなれないというわけでもないと思うんです。その辺を勘違いしてる人、いたりしません？

-子育て

こすもすより:

2005年2月20日 12:50 AM

私も心理士でまもなく４歳になる息子の母やってます。
ロテさんのおっしゃる通り、結構そういう見方されることって多いように思いますし、自分自身いろんなことでストレスフルになると「うまく子育て出来ていない心理士だと思われているんじゃないか？」と被害的？になったりもしていました。
この前テレビで産後うつ病を発症した助産師さんがインタビューに答えていらしたんですが、やっぱり自分の立場や職業を考えるとどうしても「完璧な子育て」をしなくては・・・と考えてしまうとのこと。「わかるわかる」と頷く自分がいました。
もっと子供のちょっとした成長に喜びを感じることが出来る余裕を持たなくっちゃなあと考えさせられました。
・・・なんだかまとまりのない文章で申し訳ありません。
ひなより:

2005年2月20日 7:55 AM

>心理臨床家だからいい人に違いないと思われるのは心外だし、人格者じゃないとすぐれた臨床家にはなれないというわけでもないと思うんです。
同意です．基本的に，どの分野においても理論・技術や経験の程度と人格を混同することほど愚かなことはないと思います．
たとえば，格闘技なんかでは「道」というものが重視されるようですが，人格的に優れている方が強いとは到底思えないし，人格が技術を左右するのはどんな分野でもかなり高度なレベルに到達したうえでのことだと思うのですが．
それが心理や教育というと，やっぱり何よりも人格が優先するように思われるのが，理由は何となく分かりますがやっぱり首をひねりたくなります．
別の話になりますが，師の一人に院生の時に結婚・出産を経験した方がいて（因みに男性），子どもを育てながら教育学を学ぶのはとても楽しく興味深い経験だったと言っていたのを思い出しました．
PS　リンクさせていただいてもよいでしょうか?
ゆりりんより:

2005年2月20日 3:28 PM

いや～思うんだけれど、
人の心がわからないから、心理学やっているので、
わかっていたら、もっと違うことやっていました～！！
それでも少しましになったかもしれない。うふふ。
それから、素人のアバウトな視線のほうが、
子どもも楽なことがあるわけで、
我々は、振り回すとやばい理論なり視点なりを持っていたりして、
うっかりくたびれたときに余計なことを言って、
傷つけないように、気をつけないといけないこともあるのかもしれない。
なんて、思います。
（そんなこと、ないかな、そんな風に考えるのはわたしだけかな。
それとも、わたしの「心理学」がゆがんでいるのかな。）
いつも心理臨床家の応対をすることが
人を育てるのにいいとも限らないんじゃないかな。
親は親。
親の物分りの悪さで逆に育つこともあるんだし。
なんだか、まとまりのない文章でごめん。
ロテ職人より:

2005年2月20日 6:38 PM

＞こすもすさん
コメントありがとうございます。４歳というと、うちよりもずいぶん育児の上では先輩になりますね（うちの娘はもうすぐ１歳５ヶ月）。ご指導よろしくお願いします（笑
子育てしていると絶対にストレスフルな状況ってありますよね。そんなとき「心理臨床家としての自分」に帰属してしまうと、やりきれなくなってしまうのではないかと思います。もちろん（臨床実践のことを考えても）知識は多いに越したことはないのですが、ゆりりんさんがおっしゃっているように、その知識が足かせになってしまうこともあるかもしれません。
> もっと子供のちょっとした成長に喜びを感じることが出来る余裕を
> 持たなくっちゃなあと考えさせられました。
自慢じゃありませんが、今はすごくその喜びに満ち溢れている毎日ですよ（そしてこのブログは本来の内容を離れて、娘の写真で埋められていく…）。でも、４歳くらいになるとそうなのかもしれませんね（と、知り合いのお母さん心理士も言ってました）。私も今の気持ちを忘れずに子育てできたらなと思っています。
ロテ職人より:

2005年2月20日 6:54 PM

＞ひなさん
コメントありがとうございます。
そうなんですよね。心理臨床ってのは対人的な関わりであるために、なおさら人格がその技量を左右しがちだと思われるのだと思うんですが…この辺りは近々このブログで言及したいと思ってます。
＞ゆりりんさん
> 人の心がわからないから、心理学やっているので、
> わかっていたら、もっと違うことやっていました～！！
> それでも少しましになったかもしれない。うふふ。
で、心理学やって人の心がわかりました？私はやればやるほどどんどん分からなくなっていきます（笑）。というか、やればやるほど「そんなに簡単に人の心なんてわかるもんじゃない」ということはわかるようになりました。
私は子どもと一緒にいるときは「心理臨床家としての自分」は忘れているつもりです。子育ての中で心理臨床家としての応対をすると、たいがい失敗するような気がします。だって、子どもは自分のクライエントじゃないんだから。
千と千尋より:

2005年2月21日 11:21 AM

２日間トラバに気づきませんでした・・・。
すみません。
私は自分が心理士なおかげで
「子どもは子ども、親とは別人格。どう育てたってなるようになる」
「どうせ子どもの心なんて親にはわからん」
「大事な時期に傷つけたって大抵後でフォローできる」と心から思えて助かります。
フォローに使える社会資源も色々知ってるし。
育児能力低いので、自分が心理士でなかったら今頃煮詰まって
ノイローゼ一直線に違いない・・・。
子どもをクライエントとして扱うような意味で
「心理臨床家的に子どもに対応」してしまうのは、心理士のママ友よりも
健診場面で出会う、心理学に振り回されているお母さん方に多いように思います。
知識を足かせにしないのも力量のうち、とそんな時には思います。
病院臨床やカウンセリングの経験が少なく、
心理臨床家ではあっても心理療法家ではないおかげで
力量がなくても知識を足かせにできない心理士は私ですが。
ロテ職人より:

2005年2月21日 6:18 PM

＞千と千尋さん
コメントありがとうございます。こちらも結構前のエントリーに突然のトラックバック（しかもTB後は無言）をしてしまって申し訳ありませんでした。
> 私は自分が心理士なおかげで
> 「子どもは子ども、親とは別人格。どう育てたってなるようになる」
> 「どうせ子どもの心なんて親にはわからん」
> 「大事な時期に傷つけたって大抵後でフォローできる」と
> 心から思えて助かります。
確かにそういう考え方もありますよね。「知識を足かせにしないのも力量のうち」というのも納得です。これは臨床実践にも言えるかもしれませんね。
あと、「心理臨床家ではあっても心理療法家ではない」というのも私にとってはある意味盲点でした。私が殊更に自分のアイデンティティを「心理療法家であること」に求めようとしているのも何か関係しているのかもしれません。
貴重なご指摘ありがとうございました。いただいたコメントを踏まえて、またそのうち育児について書きたいと思います（親バカ日誌は日常的なので）。

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