研究と臨床 臨床心理学

心理臨床家も研究すべき…ではなく心理臨床家「こそ」研究すべきたった一つの理由

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【心理学コラム】の土曜日

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このブログを読んでらっしゃる臨床家の皆さん、研究してますか?

最近、何人かの臨床家の方が「あまり研究する気はない」「普通は院を出たら研究なんてしない」みたいなことをおっしゃっている(書いてらっしゃる)のを耳に(目に)しまして。

確かに多くの職場では研究することは求められてないでしょうし、むしろ本来の業務ではない研究をすることに対してあまりいい顔をしない上司や同僚、他職種あるいは同業者なんてのもいるかもしれません。

あるいは、研究はアカデミックポストに就いている人間の仕事であり、臨床現場で臨床実践に追われる心理臨床家にはする必要のないことであるとおっしゃる方もいるかもしれません。

でも、それってもの凄くもったいない話だと思うのです。


だって、「臨床」心理学ですよ。臨床心理学におけるデータは臨床現場でこそ集められるものなのではないでしょうか?

アナログ研究なんてのもありますが、クライエント・患者というのは我々にとってとても貴重なデータなのですよ…なんてことを言ったら「失礼だ」とおっしゃる方もいるかもしれません。

当然、我々は研究するために臨床実践を行っているわけではありませんが、でも自分の臨床から得られた知見を自分だけの物にしておくのならば、そこには臨床心理学の学問としての発展なんてあるわけないじゃないですか。

別に今までにない画期的な治療法を見つけろとか、人間の、人生の真のあり方を問えとか、そんな大それたことを言っているわけではありません。最初は一事例研究でもいいでしょうし、アセスメント系であれば数量的な研究もしやすいかもしれません。

まずはまとめて発表してみること。それで批判されたっていいと思います。その批判を糧にさらに臨床の質、研究の質を高めていけばいいだけの話です。

つまらない結論しか出なかったとしても、そうした小さな知見の積み重ねが最終的には臨床心理学という学問の発展に繋がるのではないかと思うわけです。

せっかく貴重なデータの宝庫で仕事をしているのです。その一点だけで十分、研究をする理由になると思います。

食わず嫌いはせずに研究活動、初めてみませんか?

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