心理学・精神医学ニュース

本日の心理学・精神医学ニュース@07121801

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昨日のエントリ、「臨床心理士の需要は高まっている」という言葉が出てきたらとりあえず眉につばつけてみるはこのエントリの前振りでございました。
というわけでこちら。
臨床心理士へ「支援講座」 滋賀医大、来年以降枠拡大へ京都新聞電子版

滋賀医科大(大津市)は本年度から、大学で心理学を学んだにもかかわらず、他の業種に就業した社会人やフリーター向けに、臨床心理学の研修講座を開講している。仕事や人間関係に悩む人が増え、子どもの犯罪などが社会問題となる中、基礎知識を持つ人に医学的な技術を身につけてもらい、近年需要が増している臨床心理士育成を促す。

「近年需要が増している」キター!


てか、ぶっちゃけ意味わかんないんですけど。
基礎知識を持つ人に医学的な技術を身につけてもらい…ってそれ自体は意義のあることだと思います。ただ

5カ月間で64日講義し、終了後は修了証を授与する。

これで実際、どんだけのことが出来るんでしょうか?
しかも現職で働いている人というよりは、むしろ「大学で心理学を学んだにもかかわらず、他の業種に就職した社会人やフリーター向け」なわけですよね。もっと他に対象とすべき人がいるんじゃないかと思うわけですよ。
とりあえずSCとして就職したけど医学的な技術(ってぶっちゃけ何?って話もありますが)を持ってない新米臨床心理士とか。

医療機関や児童相談所、学校や企業などで臨床心理士の需要は増える一方だが、大学や大学院で心理学を専攻しながら、実務経験の乏しさから自信を持てず、専門性を生かした就業をしない人も多い。

実務経験の乏しさから…ってよりも、単に就職先が少ないってだけのことでは?それでがっつり研修した上で就職先も斡旋しますよってならまだわからんでもないのですが(まあ、そんなうまい話はそうそうありませんわな)、講義しただけで終わりっすか?
結局のところ、就職先の少なさに目をつぶって「需要が増している」なんてステレオタイプな言説を持ってきてるだけのような気がするのです。
つか、何でわざわざこんなことをしなきゃいけないのでしょうか?
…っと、ふと思い出したのですが、確か滋賀県って指定大学院がない県の一つじゃなかったでしたっけ?(確か47都道府県中3県だけだったはず)
それなら県内の臨床心理士のレベルの底上げを目指してこういった講座を開設するという主旨ならば非常によくわかるのですが、対象がこれですもんねぇ…。今ひとつよくわかりまへん。
それとも医学部の中に指定大学院を作る(医科学修士とかで)という構想があったりするのでしょうか?
おしえて偉い人!
…と丸投げして終わってみたいと思う所存。
とりあえずは「需要が増している」はやっぱ眉唾って話でございました。

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