臨床心理学

気になる「アレ」の件。南の方の「アレ」

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06/03/07のエントリ、素敵な国~日本~で“若いおねえちゃん”ですさんからコメントいただきました。抜粋コピペします。

私個人のことですが、修士1年で初めて心理臨床学会に参加したときは、「私もこれからは研究者の仲間入り」という気持ちで参加しました。しかし、実際に参加してみると、基礎研究や実態調査は別ですが、事例研究会場では勉強以外の何ものでもありませんでした。もちろん知識や経験が不足しているのですが、「何が研究されているのかよくわからない」という状態でした。その後も心理臨床学会の事例研究では同じように思うことが多いです。

まずこれは、発表する側の意識の問題は当然あると思います。もちろんちゃんと「事例研究」している人はいるのかもしませんが(でも少なくとも私は見たことないですね)、「有名な先生の公開SVを受けている」といったような雰囲気を醸し出している発表者は少なくありません。
確かに発表者も聴衆も「勉強」にはなるのでしょうが、それは果たして研究の場と言えるかというと…ちょっと難しいですよね。

私の周囲の人の話にうつります。院生のときの仲間はほとんど、「早く研究をやらないで済むようになりたい(=さっさと修了してさっさと臨床だけやりたい)」と言っていました。

…信じたくはないけれども、ありがちな話だし非常に現実味があります。
…………………
これまで私はネット上で(リアルでも、ですけど)「心理臨床家にとっての研究の重要性」を散々主張してきました。
最近のエントリ
ぼくのかんがえたりそうのりんしょうしんりしようせいかてい(06/03/03)
ぼくのかんがえたりそうのりんしょうしんりしようせいかてい その2(06/03/05)
ぼくのかんがえたりそうのりんしょうしんりしようせいかてい その3(06/03/06)
などを読んでいただいても、私がいかに研究活動を重視しているかがおわかりいただけるかと思います。
そんな私がずーっと気になっていたことがあります。
「アレ」ですよ。「アレ」。南の方の…そう「アレ」です。


これですよ。
九州大学専門職大学院人間環境学府実践臨床心理学専攻
ここって来年度から開始なんですかね?
で、ぶっちゃけ内部(旧来の大学院)の人たちは、このコースに対してどのようにお考えなのでしょうか?100%ウェルカムなんでしょうか?
上記リンク先の「専門職大学院」と「新たな従来型大学院」との関係性というページにはこう描かれています。

専門職大学院とともに、新たな従来型大学院(人間共生システム専攻臨床心理学指導・研究コース)も併存していますが、以下その関係性について述べてみます。

専門職大学院は2年間で臨床現場における即戦力となる高度な臨床実践力を備えた人材を養成します。

整理すると、両者で習得する技能は次のようになります。

①臨床実践力
臨床現場における臨床実践の技能
②高度臨床実践力
臨床現場の多様なニーズに応えうる高度な臨床実践力
③臨床基礎研究力
臨床心理の基礎研究力
④臨床実践指導力
高度な臨床実践力を踏まえての臨床実践の指導力
⑤臨床研究力
基礎的臨床研究及び実践的臨床心理研究を含む幅広い研究力

えーと…この説明と図が対応していないような気もしますが、とりあえず専門職大学院では「1. 臨床実践力」と「2. 高度臨床実践力」を磨き、そのままダイレクトで臨床心理士受験資格ゲットということですな。
…臨床心理士の職務内容として「臨床心理学的調査・研究」を掲げるという資格の理念はどこ?って感じですな。
色々探したのですが、少なくともネット上では内部の方の本音のところを見つけることはできませんでした。受験生はそりゃあ入りたいでしょうけれどもね。最初にコピペしたような“若いおねえちゃん”なんかも少なくない昨今ですから。
どんな感じなのか、内部事情プリーズですよ。
関連記事:
専門職大学院=臨床心理士の質の決定的な低下~こんな大学院はダメダメだ!Vol4(05/09/03)
専門職大学院とは(05/09/04)

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