これまで何度か書きましたが、ワタクシの現在の業務は「心理アセスメント:心理面接:その他」の比率が“6:3:1”くらいです…ってちょっと前と変わってね?って意見は気にしない。
でもって、そんなワタクシの業務にどストライクなこの1冊が最近出ましたよ。
精神科臨床における心理アセスメント入門 津川 律子 金剛出版 2009-06-19 |
チェックリストでもラベリングでもない「心理アセスメントの六つの視点」を,第七の視点(here and now)で有機的につなげ,クライエントの立体的な全体像をとらえるために――若手臨床心理士に贈る「心理アセスメント入門」必携書。
心理アセスメントの六つの視点(トリアージ1・トリアージ2・病態水準にまつわる要素・疾患にまつわる要素・パーソナリティ・発達生活の実際)から得られたものは,第七の視点(here and now)を通じて集約され,ネットワークのようにつながりながら立体的に存在する。臨床心理面接と不可分な“それ”は“家”のイメージであり,アセスメントから得られた成果をヒントにクライエントの全体像を立体化してゆく内的努力を,セラピストは学派を越えて行なっている。この“家”(=心理アセスメントにおける六つの視点を通じて成っている立体的な像=臨床心理学から見たその人の全体像)のなかでクライエントとセラピストが共生するイメージ――それこそが,真の心理アセスメントである。
実はもう少し前の紹介しようと思っていたのですが、ぐずぐずしている内に先を越されてしまいましたよ。
津川アセスメント本はすこぶるいい本です(遠見書房 発行人ブログ「チラ裏」)
なんだかもう私なんぞが言えそうなことは言われつくしてる感もあるんで、補足的に。
すごい本なのはもう確かです。これは読んでくださいと言うしかないです。心理アセスメントに携わる人、それはつまり、心理臨床に携わる人全てに読んでもらいたいです(アセスメントなしで心理療法・カウンセリングする人はいませんよね?ね?)。
個人的には精神科での心理アセスメントにおける薬物の影響みたいな感じの内容は、これまであまり論じられてこなかったけど(自分が知らないだけかもしれないけど)重要だよなあと思いました。
そして、「おわりに」だったかな…今、本が手元にないので詳しい場所は明記できないのですが「学会でこんな風貌の著者を見かけたら遠慮無く声をかけてくれ」的なことが書かれていたところが大変気になりました。たしかにあの著者の風貌は一目見たら忘れないだろうし、それ以前に有名人なので気づくことは気づくでしょうけれども、気軽に声をかけるってのはなかなか敷居が高いだろう…と感じますですよ。
そんなこんなはとりあえずおいといて、まあいい本です。この本に書かれているようなことを、ちゃんと出来ているベテラン・中堅(そして実力のある若手)は実は結構いるんじゃないかとも思いますが、それをこうやって明文化したのはとにかくすげえと思います。
興味のある方はどぞー、です。
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