資格問題

私の考える理想の臨床心理士養成課程Vol.2

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昨日のエントリ、誰か良い制度だと思っている人はいるの?みたいにぼやいているばっかりでも何なので、久しぶりにこのシリーズ書いてみますよ。
好き勝手なことを言ってますが、言うだけだったらいいじゃないですか。言わせてくださいな。
過去ログ未読の方は、まずそちらから。
ぼくのかんがえたりそうのりんしょうしんりしようせいかてい(06/03/03)
ぼくのかんがえたりそうのりんしょうしんりしようせいかてい その2(06/03/05)
ぼくのかんがえたりそうのりんしょうしんりしようせいかてい その3(06/03/06)
私の考える理想の臨床心理士養成課程Vol.1(06/03/20)
さて、Vol.1でのとりあえずの結論は

・修士課程在学中は研究の理論・実践の徹底と基礎臨床技術の修得を目指す(できない人は2年以上かければよろし)
・修士課程修了後の研修制度を確立する

ということになっておりました。


で、「できない人は2年以上かければよろし」と書いた背景には、実は思いっきりハードルを高くするってことがあります(臨床心理士という資格の本来の理念を考えれば、この程度のハードルは大したもんじゃないとも思いますが)。
仕事は大してないのにどんどん資格保持者は増加していく→資格保持者が安く買い叩かれる(薄給で働かされる)→仕事からあぶれた人間はスクールカウンセラーに→スクールカウンセラーのレベル低下→臨床心理士の社会的評価の低下→資格保持者がより安く買い叩かれる→・・・
という負のスパイラルを脱するためには、とりあえず粗製濫造を止めるのが一番早いと思うのですがね。
少なくとも修士課程修了の時点での臨床能力なんてそれほど大したもんじゃないでしょう。専門職大学院とか出たところで、2年間でできることなんてたかが知れてますよ。
そもそも臨床の能力を測定することの難しさもあります。現行の臨床心理士資格試験はあくまでも最低限の知識を問うものであり「その試験に合格する=ある程度の臨床の能力を持っていると認められる」ということでは決してないでしょう。
修士課程修了後に「仮免」を与える際の試験は現行の臨床心理士資格試験程度の内容でオッケー。ただし、ある程度高いレベルの修士論文を書いていないと受験資格を得られない、ということでどうでしょう?
「ある程度高いレベルの」というのは…そうですね…「心理臨床学研究以外の学術誌でリジェクトされない」ということでいかがでしょ?
たまに私レベルの人間でもびっくり仰天してしまうようなステキ論文が載ってる『心理臨床学研究』以外の…というところが肝ですね。
いっそ特定の学術誌への論文掲載を受験資格の条項に加えるのもいいかもしれません。もちろん『心理臨床学研究』以外の…ですね。ま、この条件だと私も受験資格得られるかどうかわかりませんがね
・・・・・・・・・・・・
…なーんて研究重視な発言をすると、「研究できるからと言って臨床できるとは限らないだろう!」という的はずれな反論をされる方がひょっとしたらいるかもしれません。ええ。全くその通りです。
でも「臨床できるから研究できる」ってわけでも当然ありませんし、そもそも「臨床心理学的調査・研究」を臨床心理士の業務として謳っているからには、少なくともその業務をこなせるだけの力はないと困るのではないですか?
とりあえず研究能力でふるいにかけておいて、少数精鋭で研修を行うことで格段に教育しやすくなるのではないかと思いますよ。
次こそ「研修はどうするのか?」ということに触れたいと思います。…触れられたらいいなあ。

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