昨日のエントリ、新型インフルと臨床心理士のコメント欄にて、わさおさんからこんなコメントいただきました。
とりあえず全文引用。読みやすいように改行は一部改変してあります。
はじめまして。現在法学系の大学3回生で、臨床心理士になるために指定大学院の受験を考えている者です。
ネットや本でこの職業について調べているのですが、必ず出てくるのが「収入が低い」「家族を養えない」「昇給・保険がない」等の金銭の関することです。お金で選ぶものではないのですが、やはり気になります。私も男なので、結婚や将来の事を考えるととても不安で・・
大学に非常勤のカウンセラーさん(臨床心理士の資格保持)の話を聞いたのですが、女性の方には「オススメできない」「もし私が男なら、この収入ではとてもやっていけない」等のことを言われ、だいぶ気持ちが揺らいでおります。
現在3回生なので、インターンシップの募集や企業説明会も始まり、自分の進路について決定しなければならず焦っております。
ロテ職人さんの金銭面での不満や意見があれば教えて頂きたいです。お願い致します。
コメントありがとうございます>わさおさん
ぶっちゃけ、コメントするエントリが見当違いもいいところだったりますし、ブログ検索で「年収」とだけ入れればそれ関係のエントリは結構出てくるのではないかと思うのですが…まあいいっす。大事な話なので。
とりあえず、一般論としては09/04/16のエントリ、臨床心理士の年収についてもっと考えてみるよと関連過去ログを読んでいただければいいんじゃないかと思います。あとは将来、臨床心理士になりたい人達へ質問 「あなたならDOTCH?」でしょうか。
私の意見はシンプルです。
「自分の能力に自信があるのならやればいいし、自信がないならやめた方がいいんじゃね?」
って感じです。
現時点で大学3年の人が、浪人せずに大学院に入り、留年せずに修士課程修了した時点でのことを考えてみて…常勤職が現在より増えている可能性は恐らく非常に低いでしょう。状況はそれほど変わらないか、あるいは少なくとも新卒に関しては悪化しているのではないかと思います(その根拠は上記過去ログにあります)。
ただ、どんなに状況が悪くなったとしても、それなりに食っていける常勤職の新規採用が日本全国でゼロってことはないと思います。都会では厳しいかもしれませんが、地方ならばある程度口があるかもしれません(ただ、逆に地方だとスーパーヴィジョンを受けにくかったり、あるいは研修の機会が少なかったりといった欠点もあります)。
とりあえずその程度です。
それくらい少ない「食っていける常勤職の新規採用」を勝ちとる自信と覚悟があるのならば、進学すりゃあいいんじゃないでしょうか。
ちなみに
ロテ職人さんの金銭面での不満や意見があれば教えて頂きたいです。
とのことですが、今の私の現状とわさおさんが就職するときの状況を比べても仕方ないと思うんですけどね。
私個人は能力はともかく多分運が良かったんだと思うんですが、それなりに家族を養えてると思いますし、今のところ金銭面でも不満はありません。仕事量はそれなりに多いと思いますが、それに見合った給料はもらえていますし、同業者の現状を考えると相当恵まれていると思います。
昇給もありますし、社会保障もそれなりにあります。家を建てたローンも今のところ払っていってますし、子ども2人の教育もなんとかなっている感じです。将来への不安がないわけではありませんが、そのために常に自分の臨床能力を磨く必要はありますし、研究もしなければならないと思っています。
…って何か参考になりますか?
私が何とか食えているからと言って、わさおさんが同じような職に就いて食えていける保証はどこにもないわけで。なので、慎重に考えた方がよろしいかと思います。
どーしてもなりたくて、それでものすごい優秀な人なのであれば、他の職に就いてから大学院に入り直すこともできるでしょう。まあ、そのくらいものすごい優秀な人にとっては、きっと金銭的には割に合わない仕事なのは確実ですが。
そんな感じです。
参考になった人もならなかった人も、順位確認後戻ってきていただけるとうれしゅうございます→学問・科学ランキング