資格問題

臨床心理士の年収についてもっと考えてみるよ

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さて…
臨床心理職能メモの09/03/21のエントリ、お金の話、つづきにこんな記述があります。

私個人がずっと理想に考えているのは、心理専門職が、1日8時間×週5日×年間50週×時間2000円~3000円の仕事になることです。要するに、サラリーマンの平均年収並みになることです。

「なんでそもそも時給ベースで考えんの?」とか「常勤職の給料を時給換算したら、悲しいことになるよ」とか細かいツッコミはいくつかあるんですが、いちおう心理職が自分の専門的技術をそれなりに高めつつ、生活していけるかいけないかを考える際に、年収400万って辺りが分水嶺になるのが妥当なのではないかと思います。
1日8時間×週5日×年間50週×時間2000円で400万と。
結婚して子どもが生まれて…なんてことになってくると、世帯年収400万だと厳しい感じかもしれません。もしそうなったら、2馬力(=共働き)でいくってことになりますかね。それも「贅沢をしなければ」という前提で。
さてその辺を踏まえた上で、またこのグラフを見ていきましょう。
income2007R.JPG
前にも書きましたが、このグラフは調査全体の中の「無回答 6.8%」を除いたものです。就業形態の設問で「現在は勤務していない」が6.2%でしたので、ほぼ「現在臨床心理士として勤務している人」のみのグラフとなっております。


まず、はてブコメントでAFCPさんがこんなコメントを書かれておりました。

本筋ではないけど、年収1千万円以上の層には結構、医師+臨床心理士のダブルライセンス組がいたりするんじゃなかろうか。

私もそう思います。このご時世、大学教員でもなかなか1千万はいかないんじゃないかと思ったり(実際のところはどうなんでしょう?)。その辺は大学の経営状況にもよるんでしょうけれども。
そう言えば、今、「医師+臨床心理士のダブルライセンス組」ってどれくらいいるんでしょう?どこかでその辺の統計を見たことあるような気もするんですが…気のせいかもしれません。
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で、次は100万未満ですよ。この層はさすがに自活はできないでしょう。というか、自活していないでしょう。
主婦雑誌なんかを見てるとやっぱりパートタイマーの話は結構出てて、その中でも繰り返しやっているのが「扶養家族の基準」ってやつで。
扶養家族の基準キノシタ社会保険労務士事務所(堺市))を参照したしますと

妻本人の住民税については、年収が100万円以下の場合は課税されません。

妻本人の所得税については、年収が103万円以下の場合は課税されません。

妻の年収を103万円以下に抑えると、夫は配偶者控除を受けることができます。

妻の年収が103万円を超えると配偶者控除がなくなり、配偶者特別控除になります。配偶者特別控除が受けられるのは141万円までとなっています。

この先もリンク先を是非読んでいただきたいのですが、とりあえず夫の(妻の、でもいいですが)扶養家族に入るために100万以下、あるいは130万以下の水準であえて年収を抑えているというケースもあるかもしれません。その辺を知るために、100万円台の中での細かい内訳も知りたいです。多分、100万円台前半が多いのではないでしょうか。
さて、ここで問題になってくるのが200-300万の18.2%と300-400万の21.2%ですね。合わせて39.4%です。
この層が扶養家族にも入らず実家などの援助も受けず、独り身での生活だとしたらかなり厳しいんじゃないかと思います。
ただ、逆に言えば「半数以上はそれなりに食えている」という見方もできるかもしれません。とりあえず現時点では
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さて、ここでまた「臨床心理士資格取得年」の表・グラフを見てくださいな。
table7.JPG
figure7.JPG
ざっくりと臨床心理士の半数は「それなりに食えている層」、そして半数が「食っていくのは難しい層」であるとします。で、恐らく資格取得したばかりの若い人は食っていくのは難しい層が多いと考えられます。
そして、この最新のデータで見ていくと、ここ5年間2003-2007年までで、資格取得者のほぼ半数を占めております。多分、その年代の中には「食っていくのは難しい層」がかなり多く含まれていると思います。パイの半分を2003-2007年の人たちで奪い合っていて、半分を1988-2002年の人たちで奪い合ってるという感じでしょうか。
もちろん、1988-2002年の人で生活苦の人もいれば、2003-2007年の人でヒルズ族(笑)もいるかもしれません。が、今回はとにかく丼勘定に徹してみます。
よほどのことがない限り、この業界の市場規模が爆発的に拡大するなんてことはないでしょう。おそらく「ゆるやかに成長していく」くらいが妥当なところだと思います。
で、市場規模がそれほど変わらないまま、2007年の水準、つまり毎年1000人規模で臨床心理士が増えていったとしたら…どう考えても「食っていくのは難しい層」の割合が増え続けるとしか思えません。
結局、数が多すぎるんですよね。限られたパイを多くの人数で食い合っていたら、そりゃ食えない人間も出てきますわ。
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んで、仮に資格取得者の人数がゆるやかに減っていくとします。それってつまり、どういうことでしょう?
それってつまり、指定大学院の学生数が減っていくということです。それってつまり、どういうことでしょう?
それってつまり、大学の経営が厳しくなるってことです。下手すると大学がつぶれるってことです。
それってつまり、比較的年収が高いと思われる大学教員というパイが減るってことです。
そうなってくると臨床系に人材が流れてくるってことになるかもしれません。それはそれでいいんですが臨床心理士の市場全体で見ると、人数が減ったとしてもそれほど経済状況は改善されないといことになります。
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以上、丼勘定もいいところですが(てかほとんど「勘定」はしていない)、予測としてはそれほど外れていないんじゃにないかと思います。なんとなく。
今はまだいいです。まだマシな状況なのだと思います。
んでも、このまま毎年1000人くらい資格取得者が増えたら…うん。やっぱり、このままだと多分、臨床心理士って資格は破綻するよね
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異論・反論お待ちしております。てか、誰か明るい未来を提供してください(と、いつもの他力本願で締めてみる)。

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