心理学・精神医学ニュース

裁判員の心のケア、5回まで無料に…最高裁…って5回まで?

投稿日:

最近、個人的に(そんでもってまあ世間的にも)大注目な裁判員制度に関連してこんなニュースが。色々ツッコミどころ満載なわけですが、まあ読んでくらんさい。
裁判員の心のケア、5回まで無料に…最高裁YOMIURI ONLINE(読売新聞)

裁判員裁判で悲惨な事件の審理に参加し、精神的なショックを受けた裁判員らの心のケアを充実させるため、最高裁は、臨床心理士らによるカウンセリングを5回まで無料で受けられるようにする方針を決めた。

対面式のカウンセリングを行う業者と7月中旬をめどに委託契約を結ぶ。47都道府県すべてでカウンセリングが受けられる。

…外部委託っすか?どこの「業者」がこれ請け負うんでしょ。ってか、請け負った「業者」はウハウハでしょうな。あ、でも利用者数に応じて報酬が支払われるような体系だとちょっと厳しかったり?
しかし、こういうのこそ常勤の公務員として雇うべきなんじゃねーかと思うわけなんですが、そういう考えの方がおかしいんですかね。
そして、それ以上にこの「5回」という回数制限。この根拠は何?適当?

裁判員制度では殺人などの重大事件が対象のため、裁判員や補充裁判員が、証拠として示された遺体の写真を見たり、検察側の冒頭陳述などで残酷な犯行状況を聞いたりする可能性がある。

裁判員らが精神的なショックを受けた場合の対処が課題になっており、最高裁は24時間態勢の無料の電話相談窓口を設ける方針を決めていたが、専門家から「それだけでは不十分」という指摘が出ていた。

…で、委託業者による「5回」の制限つきの個人面接なら「十分」なんでしょうか。

対象は裁判員や補充裁判員と、その経験者。利用期間に制限を設けず、裁判員を務めた後、一定の時間を経て心身に変調をきたした人も利用できる。

悩みを打ち明けたい場合は、最高裁が開設した相談窓口に電話し、地域のカウンセリングルームなどを紹介してもらう。専門医の診察を希望する人には医療機関も紹介。

6回目以降のカウンセリングや医療機関にかかる費用は自己負担だが、裁判員は非常勤の国家公務員に当たるため、裁判員を務めたことで心的外傷後ストレス障害(PTSD)などになったと認定されれば、国家公務員災害補償法に基づいて補償も受けられる。

はい、出ました。PTSD。
PTSDの診断なんかそんな簡単に出ないだろうし、簡単にPTSDの診断出すような医師は(かなり強めに自主規制
つか、民事がらみの精神鑑定なんかでそんな簡単にPTSDを認めなくなっている昨今、「裁判員を務めたのでPTSDなっちゃいました」的なのがどんだけ認められるんでしょうかねえ。

最高裁は「裁判員の心のケアは、陪審制や参審制を導入している国と比べても遜色(そんしょく)ない対応になると思う」としている。

(2009年6月15日07時08分 読売新聞)

確かに心のケアが必要なケースは出てくるだろうけど…これが他国と比較しても遜色ない対応なんでしょうか。
そもそもここまでして裁判員制度ってやんなきゃいけないもの?
なんだかなあって感じのニュースが続くこの裁判員制度から当分目が離せません。
そういや、こんなニュースもあって2ちゃん界隈での意見もまあボッコボコという感じで。
【裁判員】東京地裁と司法記者クラブ、「裁判員経験者の記者会見」運営方法に合意東京エスノ
今後もこのニュース、おっかけてみたいと思います。そして皆様のご近所では誰が「委託業者」になるのか注目してみると面白いかも(守秘義務とかあるでしょうから、おおっぴらにはならんのだろうけど)。
関連エントリ
裁判員制度とか守秘義務とか(09/05/19)
【裁判員には】裁判長!これで執行猶予は甘くないすか【…なりたくないよ】(09/02/05)

そして、お時間あれば順位確認後戻ってきていただけるとうれしゅうございますよ学問・科学ランキング

-心理学・精神医学ニュース

Copyright© ロテ職人の臨床心理学的Blog , 2024 All Rights Reserved.