雑記

西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』

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なんつーか、西原の自伝的作品って正直苦手だったりするワタクシです。何で苦手かって、多分、自分の「よい子ちゃん」的部分(悪い意味での)が刺激されちゃうからだと思うのですよね。『ぼくんち』とか(厳密には「自伝」じゃないけど)。
とりあえず、基本的にぬるま湯につかって育ってきた自覚はありますし、そういう意味での劣等感みたいなものを感じるのかなあ…。
そんなワタクシですが、これは読んで面白かった。つか、いつか我が子に読ませたいと思った次第でありますよ。

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ) この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)

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西原理恵子が「カネ」を通して自らの生き様と理念を語る初の自伝的エッセイ登場!

故郷での貧しさゆえの八方ふさがりの生活。東京に出てきて学校に通いながら自分の絵を出版社に持ち込み次第に認められて行く。そしてギャンブル、アジアへの旅で出会った貧しい子ども達、大切な家族の事。

「お金」について考える事は人間関係・仕事関係、つまり自分と世界との関わりにつながっていくのです。

漫画で描かれた西原ワールドがより深く・よりリアルに迫って来る1冊。西原ファンならずとも納得・感動の1冊です!

どん底だった、あのころのこと。「貧乏」は、札束ほどにリアルだった。「働く」はもっと、「しあわせ」につながっていい。だから、歩いていこう。自分の根っこを忘れないために。大切な人が、心から笑ってくれるように。切れば血が出る、読めば肉となるサイバラの物語へ、ようこそ。

タイトルには『「カネ」の話』とありますが、あんまりカネそのものの話は出てきません。むしろ「働くこと」だったり、「貧困とは?」ってことだったり、そして人との繋がりだったりについて書かれている本です。
このシリーズ、理論社【YA新書「よりみちパン!セ」】は「中学生以上のすべての人」のための本であり、文章は平易で読みやすいです。

学校でも家庭でも学べない、キミが知りたいこと、知らなかった世界のことを、魅力的なおとなたちが心をこめて、書き下ろします。

生きていくためのリアルなテーマが満載です!
……でも、肩の力を抜いて、楽しく寄り道してくださいね!

ってことであり、特にこの1冊は自立する前の子ども達に読んで欲しかったりします。んでもって色々と考えて欲しかったりします。
…いや、これ読ませたい大人もいっぱいいるような気もするけど。
この仕事をする上で、まあ色んな患者・クライエントはいるけれども、お金がない人も少なくないしそういう意味でも考えさせられるところがたくさんありましたよ。
実はちょっと苦手だった「サイバラ」ですが、これで少し好きになりました。
マジお勧めです。さらりと読めるので興味がある方はどぞー。

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