05/11/28のエントリ、自傷行為でもちょろっと触れたこの本。
シュナイドマンの自殺学―自己破壊行動に対する臨床的アプローチ エドウィン・S. シュナイドマン Edwin S. Shneidman 高橋 祥友 金剛出版 2005-05 |
我が国における自殺学の大家であり、この本の訳者、高橋祥友氏によるこの本、気になっていたので購入いたしました。
医療者が知っておきたい自殺のリスクマネジメント 高橋 祥友 医学書院 2002-08 |
自殺は精神科のみの問題ではありません。全ての医療者が直面する問題として自殺を捉えた、非常に実践的な内容となっております。
目次はこちら。
第1章 自殺の実態
第2章 自殺の危険因子―だれに自殺の危険が迫るか
第3章 身体疾患と自殺
第4章 自殺予防における医療スタッフの役割と限界
第5章 「自殺したい」と打ち明けられたら―対応の原則
第6章 精神科における治療と予防
第7章 自殺が起きたら―遺族、他の患者、医療者への対応
第8章 自殺のリスクマネジメント
自殺の予防だけでなく、自殺が起きた後の対応まで踏まえた充実した内容です。医療従事者向けのマニュアル的な本ですが、医療関係以外でも学ぶべき点は多いかと。「役割と限界」なんかは対人援助職に就いている全ての人にとって知っておいてもらいたいところです。
で、psy-pubさんの心理学の本(仮題)でも、今年の1月に高橋氏関連書籍が紹介されております。
・単なる前フリか正月ボケかはたまたオマージュか(06/01/10)
そのpsy-pubさんイチオシなのがこちら。
自殺の危険―臨床的評価と危機介入 高橋 祥友 金剛出版 2006-01 |
私の下手な紹介文なんかより、psy-pubさんのコメントやAmazonのレビューを読んでいただければ、この本の価値はおわかりいただけるかと思います。非常に良い本です。マジお薦めです。
ついでに、一般の方&学部生なんかはこの辺から読まれると吉。
自殺の心理学 高橋 祥友 講談社 1997-03 |
こういう形で一般に向けても情報提供をされているというのは、自殺予防の一環なのではないかと。
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そういやこんなニュースもありました。
自殺予防教育を本格化 文科省、月内にも研究会(06/08/03)
元々「自殺」は臨床的に重要なテーマでありますが、近年その重要性がさらに高まっている様子。そういう意味で、今回ご紹介した本はマストアイテムかと。
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実はもう何冊か(自殺関連以外で)ご紹介しようかと思っていたのですが、長くなりそうなのでとりあえず今日はこの辺で。
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