研究と臨床

質的研究と量的研究

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以前、某大大学院修士課程に在籍する学生さんに「修論はどうすんの?」という質問をした時のこと、
「私は統計が苦手なんで、修論は質的研究をやります」と言われました。
その時の私、きっとこーんな顔→(?・??って顔してたのだろうと思います。
質的研究…それはそれで意味のあることだと思います。
心理学の研究の新しい枠組みとして(という言うには熟成されているのかもしれませんが)…新しいかどうかはともかく、従来の数量的な心理学的研究とはことなる枠組みとして意義のあるものだと言えるでしょう。
でも「統計が苦手だから質的研究」って一体何だよ!?
そんな話をふと思い返して、ちょっとこの本を読んでみました。

4414301513 心理学の新しいかたち―方法への意識
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ロテ的お薦め対象:心理学研究に関わる全ての人(とくに若手)へ;研究に対する考え方をまとめるのに役立つ本


その学生さんはこうもおっしゃっておりました。
「私は○○さん(ロテ職人の本名)みたいにcritical thinkingができないから」…
そこでもきっと私は(?・??って顔をしてたと思いますよ。
臨床に携わりたい人間がcritical thinkingできないでどうすんの?
6/18のエントリ、「理論」と「論理」と関係するところですが、私だってcritical thinkingは苦手ですよ。
でも、やらなきゃいけないんですよ。
もちろんSVを受けたりすることは必要なんですが、何よりも臨床実践ってcritical thinkingの繰り返しなわけじゃないですか。
それがないと単なる独りよがりな臨床になるのは火を見るよりも明らかなわけであり。
量的研究は統計的検定という外的な基準がはっきりしているから実は楽なんですよ。
質的研究ってのは量的研究のように、従来の研究のやり方に則ってやればそれなりに研究(っぽいもの)の形になるわけではありません。
「グラウンデッド・セオリーを使う=質的研究」ということではないのですよ。
他者をも納得させられうる質的研究ってのはものすごく難しいはずなんですよ。
それは上に挙げた『心理学の新しいかたち―方法への意識』の質的研究に関する章を読んでみても明らかでございます。
少なくとも今の私程度の能力では質的研究をやろうなんて大それたことはちょっと考えられないっす
(ところでこの本はかなり良いです。臨床にずぶずぶにはまってる学生や現場で働いていて研究なんて…という人などには特に読んでもらいたい本です)。
え?「修論でケース研究をやりたい!」って人間はどう思うかって?
そんなの氏んだ方がいいに決まってるじゃないですか

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