心理・精神医学本

2012年売れ筋ランキングTOP10 カウントダウン(後半)

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さて昨年、当ブログ経由でご購入いただいた書籍の売れ筋ランキング、後半の発表です。

前半を未読の方はまずはそちらから。

2012年売れ筋ランキングTOP10 カウントダウン(前半)(13/01/04)

あと2011年のランキングはこちら。2012年のランキングと比較してみると面白いかもです。

2011年売れ筋ランキングTOP10 カウントダウン(前半)(12/01/04)
2011年売れ筋ランキングTOP10 カウントダウン(後半)(12/01/05)

それではランキングのチェックをしていきましょうか。

…の前に…

ランクインまであと一歩だったものの中で、特にワタクシ的に注目の三冊をピックアップしたいと思います。

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学校と子どもたちの心のための雑誌。第6号は,東日本大震災をつうじてわかってきた子どもたちへのケアです。学校で,地域で,積極的に活動つづける臨床家たちの奮闘の様子。

創刊以来、毎年ランクインしていた『』ですが、惜しくも今年はトップ10には入りませんでした。ただ、こちらの特集は今こそやはり注目するべき内容なのではないかと思うわけでございます。

皆様是非どぞー。

関連エントリ:
『子どもの心と学校臨床 第6号 特集:大震災・子どもたちへの中長期的支援:皆の知恵を集めるソリューション・バンク』が出てた(12/02/27)

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精神科で使われる全領域の薬が、これ1冊で丸わかり! 好評本待望の第2版 精神科で使われる全領域の薬が、これ1冊で丸わかり! ざっと知っておきたい、大事なことだけ知りたい、副作用と禁忌だけは押さえたい―そんなニーズに合致して圧倒的な支持を得た初版。3年の時を経て、注目の新薬、非定型抗精神病薬の新アルゴリズム、精神科薬が関連する社会問題への方策などを加筆。

やはり心理職と言えども当然薬の知識は必須ですし、ユーザーの方からの関心も高かったのだと思います。こちらも持ってらっしゃらない方は是非!

関連エントリ:
姫井昭男著『精神科の薬がわかる本 第2版』(11/06/03)

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ツボを押さえれば精神科は楽しい! カスガ先生、これならやっていけそうです!!

誰も教えてくれなかった精神科のツボを、誰にでもわかるように解きほぐしてくれたと大好評の初版に、認知症、新型うつ、パーソナリティ障害など新たな「困りごと」とその解決策を示しました。はじめて精神科に足を踏み入れたとき誰もが感じる「不安」の元に分け入る超実践的アドバイス集。ホントの言葉は、軽くて深い。

これ、間違いなくいい本なんですが、紹介した時期が悪かったと思うんですよね。

当ブログでの初出が2011年12月09日ということで、2011年のランキングに入るにはあまりにも遅すぎたし、かといって2012年にランクインするには早すぎた…という不運な感じでございました。

時期が時期なら確実にランクインしていたでしょうし、読んだ方々の評判もなかなかいいので、やはり未読の方は手に取っていただきたいなと思う次第。

関連エントリ:
【読んでないけど】春日武彦著『援助者必携 はじめての精神科 第2版』【期待大】(11/12/21)

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さて、ここからいよいよ2012年の第5位の発表です。

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第5位

現在、病院・クリニックで使われている向精神薬をそれぞれ見開きページでわかりやすく解説。薬理説明や用量例ほか、処方・服用のポイントなど、専門家だけではなく、患者さんやその家族にもとても役立つ情報を幅広く掲載しています。最新版では、各薬剤の「実際に処方したときのエピソード」を大幅に改訂し、経験豊富な医師の最近の処方傾向がさらにつかみやすい内容に。精神科の薬物療法に関心のあるコメディカルの方にも最適の書。巻末に「薬物代謝酵素を介する主な向精神薬どうしの薬物相互作用」一覧のしおり付き!

今さら言うこともないです。2011年の第6位からワンランクアップしたのは、昨年新しい版が出たからでしょうかね。

院生であれば持っておいてもらいたいです。学校臨床を目指す人であっても、です。問題は結構改訂のペースが速いということで、第9版がいつでるやら…ってところくらいでしょうか。

関連エントリ:
『こころの治療薬ハンドブック 第8版』が出ますよ(12/04/26)

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第4位

WAIS-IIIをご活用いただく際の必携書!

WAIS- III成人知能検査の理論的背景を解説した上で、検査結果を解釈する手順を詳細に記述。そして、その解釈の進め方に沿った8つの事例を掲載しており、臨床現場で役立つ情報が満載。簡易実施法や5つの臨床群に関する研究データ・知見も紹介し、単なる事例集の枠を超えた、現時点でのWAIS-IIIの事例・臨床研究の集大成の書といえる。ぜひ、WAIS-IIIユーザーの皆様の座右に置いていただきたい一冊である。

2011年第3位からワンランクダウンの4位というのは、やはり2011年の刊行から1年以上経過したからってことはありますかね。でもこれまた成人の臨床に関わるのであれば、持っておいてた方がいいと思います。

皆様どうぞ。

関連エントリ:
『日本版WAIS‐3の解釈事例と臨床研究』キター(11/04/01)
『WAIS-IIIの解釈事例と臨床研究』読んでみたよ(11/04/21)

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第3位

臨床心理士や医師などを対象にどこでも、だれでもが受け入れるような常識的で基礎的な技法について、「人と人との出会い」という原点に立ち戻って論じた心の相談のための面接法の書。

続編が第7位にランクインしたのと同時に、こちらも2位にランクインでございます。

読みましょう。とにかく読みましょう。名著です。

関連エントリ:
【やっぱり】初めての面接の前に読んでおく本【基本でしょ】(05/02/25)

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第2位

『根拠ある記録』を素早くつけてスッキリ明日を迎えましょう

電子カルテの導入や説明責任、個人情報の開示請求など、近年相談援助職の記録には高い客観性と専門性が求められている。本書では、記録に必要とされる要素や用いるべき語句、実際の記録の添削例などを収載し、限られた時間で的確な記録を残す具体的なノウハウを提示する。

これ、本当にビックリするほど売れました。紹介したのが2012年10月23日。わずか1ヶ月強の期間で2位に食い込みました。

Amazonのカスタマーレビューを読んでもわかるように、結構賛否(いや「否」というほどでもないのかもしれないけど)両論だったり。これについては「記録」というものをどう捉えるか、って辺りが関係しているのではないかと思います。

とにかく類書がほとんどないので、記録の書き方について悩んでいる方々にとっては大変お薦めなのではないかと。

関連エントリ:
【必要な人は】『相談援助職の記録の書き方―短時間で適切な内容を表現するテクニック』【多いのでは?】(2012/10/23)

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第1位

チェックリストでもラベリングでもない「心理アセスメントの六つの視点」を,第七の視点(here and now)で有機的につなげ,クライエントの立体的な全体像をとらえるために――若手臨床心理士に贈る「心理アセスメント入門」必携書。

心理アセスメントの六つの視点(トリアージ1・トリアージ2・病態水準にまつわる要素・疾患にまつわる要素・パーソナリティ・発達生活の実際)から得られたものは,第七の視点(here and now)を通じて集約され,ネットワークのようにつながりながら立体的に存在する。臨床心理面接と不可分な“それ”は“家”のイメージであり,アセスメントから得られた成果をヒントにクライエントの全体像を立体化してゆく内的努力を,セラピストは学派を越えて行なっている。この“家”(=心理アセスメントにおける六つの視点を通じて成っている立体的な像=臨床心理学から見たその人の全体像)のなかでクライエントとセラピストが共生するイメージ――それこそが,真の心理アセスメントである。

2010年、2011年、そして2012年と3年連続の1位です。これはもう「殿堂入り」と言ってもいいかもしれません。

読んでない人は読んでみましょう。本当に良書ですよ。

そして…今年はこの本を追い越す1冊は出てくるのでしょうか?

関連エントリ:
津川律子著『精神科臨床における心理アセスメント入門』(09/07/23)

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いかがでしたでしょうか?皆様が購入された本はランクインされていましたか?

今年もいい本を一冊でも多くご紹介できたらと思っております。もしよろしければ皆様のお薦めもおうかがいしたいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

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