先日、私のブログを読んでくださっている、心理学以外の学部の2年生の方からメールをいただきました。
詳しい内容をコピーすると色々めんどくさいので、かいつまんで内容をご説明しますと
「○○ということに興味を持ったのですが、これは心理学という学問領域で扱えるものなのでしょうか?」
ということでした。
私の個人的な意見としましては、この方(仮にAさんとしましょう)のおっしゃっていることは、確かに心理学の様々な領域からの研究アプローチは可能だと思います。ただ、Aさんが考えてらっしゃるような実践につなげるのは非常に難しい…というか道のりは遙か遠いように思われます。加えて、メールでは書きませんでしたが、臨床心理学的・カウンセリング的アプローチも出来ないことはないのですが、それもまたかなりの技量が必要であり、今のAさんにとってはあまり現実的ではないかもしれません。
素朴な疑問だったり興味だったりというのは非常に大事です。それがなければ心理学のみならず学問というのは発展しません。そしてAさんの様に他分野の方でも興味を持って心理学の世界に入ってこられるというのは頼もしいことだと思います。若い方が(って私も若いですけど)どんどん研究をされると学問自体にも活気が出てきます。
ただそれ以前の問題として
「Aさんがやりたいのは本当に心理学なのか?」
ということもあるかもしれません。
Aさんは今後、大学院への進学も考えているそうですが、そこまでいくとなるとやはりハードルは高いです。大学院入ってしまってから「やっぱり違ってた!」なんてなると、目も当てられないことになってしまうかもしれません。
そんなわけで、Aさんにとって今必要なのは「心理学とはどんな学問なのか?」を知ることだと思うのですよ。それも「臨床心理学とは何か」ではなくあくまでも「心理学とは~」ということです。
その観点からAさんに入門書をお薦めするとなると…大学の心理学の概論レベルのテキストでもいいのですが、他分野ということもあり、むしろ高校生向けの本の方が良いのではないかと思ったですよ。
とりあえずお薦めするとしたら、以前もご紹介した某巨大掲示板心理学板推奨入門書のこれ↓かと思うんですが…
マンガ心理学入門―現代心理学の全体像が見える ナイジェル・C. ベンソン Nigel C. Benson 清水 佳苗 講談社 2001-03 |
この本、内容自体は結構良いのですが、挿絵がアメリカーンな感じでちょっとくどいというか苦手な人は苦手かもしれません。
で、探してみました。
この辺なんかはどうでしょうか?
心理学ってどんなもの 海保 博之 岩波書店 2003-03 |
高校生のための心理学 松井 豊 大日本図書 2000-05 |
いずれも心理学の幅広い分野をある程度網羅しており、正に「高校生向け」という感じだと思います。下手に中途半端な概論書を読むよりは、「全体像を把握する」という目的には適しているのではないかと思います。
実際、入試説明会で紹介した先生もいるようです。
あと目についたのはこの辺でしょうか。
心理学って何だろう 市川 伸一 北大路書房 2002-11 |
これも心理学を誤解している人が「心理学とは何か」を知るのに使えそうです。
どうでしょうか?Aさん。参考になりましたか?
他にも何かお薦めの本がありましたら、是非ともご紹介いただけたらと思います>皆様
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