ちょっと前に出た本なので、既に読んだ方もいるかと思います。私もずっと気になっていたんですが(そして、先日の精神分析学会会場内の書籍コーナーでも見かけたのですが)まだ購入できていないのがこちら。
あらゆる精神科的な疾患について、脳科学的な根拠を知ることは、それらが「本当の病気」であり、来談者たちはそれに苦しんでいる犠牲者であるという理解を促す。
「来談者の訴えに虚心坦懐に耳を貸しなさい」というよりは、「個々の病気を知りなさい」という教えのほうがより現実的である。虚心坦懐には限度があるが、病気を知ることで、それが「気のせい」ではないことがわかる。それが来談者の苦しみを知ることでもある。個々の病気を知るために、心理士は精神医学や脳の専門家になる必要はないが、「脳科学オタク」くらいにはなっておくことは必要だろう。
出版社の紹介ページでは、目次の他、本書の第8章「脳の配線異常としてのイップス病」からの一部抜粋が読めます。
・脳から見える心(岩崎学術出版社)
上で引用した解説文に“個々の病気を知るために、心理士は精神医学や脳の専門家になる必要はないが、「脳科学オタク」くらいにはなっておくことは必要だろう”とあり、心理士が読む事を想定した本であることはわかります。
…著者の経歴を見れば分かるように、バリバリの分析系の方ですよ。
米国精神科専門認定医,国際精神分析協会,米国及び日本精神分析協会正会員,臨床心理士
あ、臨床心理士資格も持ってらっしゃるんですね。
ともあれ、そんなバリバリの分析系の精神科医が書く「脳科学の本」というのが果たしてどんなものなのか?脳科学と分析を結びつけるところまで行き着くのか?という辺りが大変気になります。
…気になるんだったら読めと?全くその通りですが、なかなか時間がなく…(はい、言い訳でました!)
とにかく気になる一冊です。機会があれば手に取ってみたいと思います。
そして、同じくらい気になるのが著者のブログです。
・岡野憲一郎のブログ:気弱な精神科医 Ken Okano. A Blog of an insecure psychiatrist
何が気になるかって、とにかく今年2月の途中から現在まで毎日更新が続いています。そしてその内容も非常に濃いです。濃すぎてちょっと私は着いていけないのですが、読む人が読めばきっと面白いと思います。
一つわかるのは「とにかくこの人は頭がいいんだな」ということです。
うーん。気になるのです。
私と同じように気になる人は著書もブログも是非ともポチっとどーぞ。