資格問題

「臨床心理士の専門性と養成カリキュラムが国家資格案に十分に反映される」ことが「必要不可欠」って本気で言ってますか?

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私のリアルにも影響が及んだりして色々と面倒なんで、もう関わらないようにしようと思っていたのですが、どうしても気になったので書いてみます。返信等は特に必要ありませんのでご了承ください。

さて、少し前の話になりますが、11月13日づけで臨床心理士の職業的専門性と資格を考える有志の会(以下、有志の会)のサイトにこんな文章がアップされております。

心理師資格の現状ー資格ー法案について(※pdf注意)

こちらの文章は、11月8日に日本臨床心理士養成大学院協議会会員校へと送付されたものなのだそうな。

心の階段
photo credit: Eustaquio Santimano via photopin cc


私が気になったのは、この文章の核をなす以下の部分です。

臨床心理士の養成にあたってきた養成校の立場からすると、心理職の国家資格には、以下の点が臨床心理士有資格者にとっても、国民のこころの健康に対するサービスにおいても必要不可欠であると考えます。それは、臨床心理士の専門性と養成カリキュラムが国家資格案に十分に反映されるということです。

現行の「臨床心理士の専門性と養成カリキュラム」って、国家資格案に「十分に反映される」ことが「必要不可欠」な位、クオリティの高いものでしたっけ?

Twitterアカウント、臨床心理士有志の会 (@cpyuhshi2013)が展開している議論を見る限り、現行の臨床心理士資格の特に養成カリキュラムに関しては問題があると感じてらっしゃるように見受けられましたし、その点については私もまさに同感だったのですが…それは私の勘違いだったのでしょうか?

この文章、「文責」がどこにあるのかわからないので(11月25日現在、文責についての記載はありません)、誰の意見なのかは知る術はありません。ひょっとしたら有志の会の中でも意見が割れているのかもしれません。しかし、もしも団体の中で合意が得られていないのであれば、なおさら文責の記載は最低限必要だと思うのですよね。

そして、この記載についてはもう一つの可能性があります(こちらの方がより可能性が高いと思いますが)。この文章が日本臨床心理士養成大学院協議会会員校宛ての文章であり、それら養成大学院の立場を考慮した上でご自身(達)の意見を曲げているとも考えられます。

問題があるという思いを隠しつつ(Twitterではその問題に言及しつつ)、既存団体の既得権益を守ることの重要性を主張する…これを「二枚舌」と言わずして何を「二枚舌」と言うのでしょうか?

…で、今、サラリと書いてしまいましたが、上記リンク先の文章を翻訳すれば、「臨床心理士や指定大学院が持っていた既得権益が侵されてしまうかもしれませんよ?それで大丈夫なんですか?」ってことになりませんか?

私は自分がダメな院生であった事は自覚しています。そのこと自体は臨床心理士養成過程が持つ問題とは全く別の話なのですが、ダメ院生であったがために未だに苦労している部分は多々あります。もちろん自分なりに努力をしているつもりではありますが、もっと優秀な人材はたくさんいると思います。

…ええと、何が言いたいのかと言いますと、今、私が生活の糧を得ているということはある種の既得権益であり、だからと言って(だからこそ?)自分がそれを手放し、もう一度他の優秀な人たちと争った上で誰がそれを得るべきなのか決めるつもりは全くないということです。もっと簡単に言えば、一度得られた既得権益を手放すのは難しいということになります。

そして、一度作られた大学院制度も含めた臨床心理士資格制度というのは既得権益化してしまったし、それを変えるのは私個人の問題なんかよりもはるかに困難であり、ちょっとやそっとのことでは不可能だと思っていたのです。

そこでこの国資格化の話ですよ。

まさに今こそ、現行の養成課程の問題点をあぶり出し、既得権益化している構造を変えるチャンスなのですよ。

なのに、現行の「臨床心理士の専門性と養成カリキュラム」が国家資格案に「十分に反映される」ことが「必要不可欠」ですか…。

養成大学院の皆様を味方につけたいのであれば、そう主張することは確かに有効な戦術かもしれませんが、だったら普段から「二枚舌」にならないように気をつけた方がいいんじゃないでしょうか?

そして、もしも本気で建設的な議論する気があるのであれば、現在の推進派の方法論の「形式」について(「民主的ではない」と言ったように)批判するのではなく、臨床心理士の専門性と養成カリキュラムのどんな面を、どのようにして現実的に国家資格案に盛り込んでいくことが出来るのかという「内容」について提言していくことが重要なのではないかと思います。

私は、有志の会からそうした具体的な内容についての提言がなされたということは寡聞にして知りません。

そんなこんなで、とりあえずワタクシ的にはあの文章は正直ガッカリだったなあ…という感じでございましたとさ。そして、こんな事を書いたりすると、また現実生活に弊害が出たりするのだろうなあ…。

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