今日、そして明日で今年も終わりですね。今年も終わりということは、つまり今年の第4四半期も終わりということです。
例年は、年明けに年間ランキングを発表するということで、第4四半期のランキングは出してないんですが、せっかく「毎日連続更新」継続中なので、せっかくのネタは使いたいな…ということで。
ちなみに今年の第1〜第3四半期のランキングはこちら。
・2013年第1四半期売れ筋ランキング(13/04/01)
・2013年第2四半期売れ筋ランキング(13/07/19)
・2013年第3四半期売れ筋ランキング(13/10/01)
では行ってみましょー。
第5位は2点。
第5位
臨床心理研究は研究者だけのものではない。客観的な視点から事例を振り返り,そしてその結果を世界に向けて――ささやかなものであったとしても――研究論文として発信することは,日常のクライエントに対する援助と同様,臨床家にとってなすべき重要な仕事である。本書は,臨床心理士や臨床心理を志す方に向けて書かれた,研究の進め方と論文の書き方を詳解した手引きである。
事例研究の留意点や統計データのまとめ方,文献の集め方,クライエントからの許可の取り方,読みやすい論文の仕上げ方,投稿時の注意点などが詳細に取り上げられており,本書と執筆用具,そして小さくとも臨床に関する問題意識があれば,多忙な臨床家だけではなく研究初心者でも,良質な論文を書き上げることができるであろう。また,チェックリストや用語集,ワンポイント・メモなども収録されているので,研究初心者への論文指導の手引きとしても有用なものとなっている。
臨床と研究の両軸で活躍する二人の著者によって書かれた本書は,迷うことの多い臨床心理研究のよき道しるべとなろう。
この時期にランクインするというのは、やっぱり卒論、修論の執筆に必要だったってことでしょうかね。
これから論文書く人はもちろんですが、大学院を修了してしばらく経ってから研究をしたくなった臨床家の皆様にもオススメしたい一冊です。
関連エントリ:
・津川律子・遠藤裕乃著『初心者のための臨床心理学研究実践マニュアル 第2版』(11/10/18)
第5位
チェックリストでもラベリングでもない「心理アセスメントの六つの視点」を,第七の視点(here and now)で有機的につなげ,クライエントの立体的な全体像をとらえるために――若手臨床心理士に贈る「心理アセスメント入門」必携書。
心理アセスメントの六つの視点(トリアージ1・トリアージ2・病態水準にまつわる要素・疾患にまつわる要素・パーソナリティ・発達生活の実際)から得られたものは,第七の視点(here and now)を通じて集約され,ネットワークのようにつながりながら立体的に存在する。臨床心理面接と不可分な“それ”は“家”のイメージであり,アセスメントから得られた成果をヒントにクライエントの全体像を立体化してゆく内的努力を,セラピストは学派を越えて行なっている。この“家”(=心理アセスメントにおける六つの視点を通じて成っている立体的な像=臨床心理学から見たその人の全体像)のなかでクライエントとセラピストが共生するイメージ――それこそが,真の心理アセスメントである。
当ブログ的にはいまさら説明は不要な一冊でしょう。
最大の関心は今年も1位をとるかどうかというところですか。
未読の方は是非どうぞ。
関連エントリ:
・津川律子著『精神科臨床における心理アセスメント入門』(09/07/23)
第3位
そして第3位も2点。
まずはこちら。
あらゆる精神科的な疾患について、脳科学的な根拠を知ることは、それらが「本当の病気」であり、来談者たちはそれに苦しんでいる犠牲者であるという理解を促す。
「来談者の訴えに虚心坦懐に耳を貸しなさい」というよりは、「個々の病気を知りなさい」という教えのほうがより現実的である。虚心坦懐には限度があるが、病気を知ることで、それが「気のせい」ではないことがわかる。それが来談者の苦しみを知ることでもある。個々の病気を知るために、心理士は精神医学や脳の専門家になる必要はないが、「脳科学オタク」くらいにはなっておくことは必要だろう。
すいません。まだ買えてません。
そして相変わらず筆者のブログは濃いです。
私も早く購入して読んでみたいです。はい。
・岡野憲一郎著『脳から見える心』が気になる。そして著者のブログがすごい(13/11/22)
第3位
3位の2冊目がこちら。
『根拠ある記録』を素早くつけてスッキリ明日を迎えましょう
電子カルテの導入や説明責任、個人情報の開示請求など、近年相談援助職の記録には高い客観性と専門性が求められている。本書では、記録に必要とされる要素や用いるべき語句、実際の記録の添削例などを収載し、限られた時間で的確な記録を残す具体的なノウハウを提示する。
相変わらず強いです。売れてます。
やっぱり必要な人は多いんじゃないかと思います。未読の方は是非どーぞ。
・【必要な人は】『相談援助職の記録の書き方―短時間で適切な内容を表現するテクニック』【多いのでは?】(12/10/23)
第2位
人気絶頂の最中、突然芸能界から姿を消した一人の芸人–。「タモリのボキャブラ天国」「進め! 電波少年インターナショナル」など人気番組にレギュラー出演していたお笑いコンビ「松本ハウス」は、ハウス加賀谷の統合失調症悪化により、1999年活動休止。その後入院生活を経て症状を劇的に改善させた加賀谷は、10年ぶりの芸人復帰を決意する。相方・松本キックの視点を交えながらコンビ復活までの軌跡が綴られる、感動の一冊。
リリー・フランキー推薦!
「馬鹿は死ななきゃ治らない。でも、生きてりゃ治る馬鹿もある。夢あるねぇ」
第3四半期は1位でした。2位に落ちたとは言え、やっぱり売れてます。
当ブログ経由ではなくともなかなかの売れ行きのようで、本日現在、Amazonさんのタレント本のランキングでも5位にはいってます。
タレント本というくくりでなくとも、精神疾患の当事者本としては記録的に売れた記念碑的な一冊なのではないでしょうか。
サクッと読めちゃう一冊ですし、普通に「面白い本」です。未読の方は是非!
・ハウス加賀谷・松本キック(松本ハウス)著『統合失調症がやってきた』(13/08/13)
第1位
そして第1位はこちら。今年も個人的にお世話になりました。来年もよろしくお願いします!
人のADHDは診られませんと診療を断る精神科外来が多い。本書を読めば、急増する「大人のADHD」の診療が楽しくなる。
今、精神科の外来では、「大人のADHD」の受診者が増えている。しかし、大人のADHDの治療を行っているところは、ごく一部の治療施設であり、多くのADHDの成人が、診療を受けられずに困っている。どのクリニックでも、大人のADHDの診療が行われることが望まれている。
本書は、5000例以上の臨床経験をもとに、ADHD診療の具体的なノウハウを分かりやすく解説する。医療採算性の問題も、著者の示す効率的診療など具体的工夫によって改善される。本書は、明日から大人のADHDの診療を行うための具体的な手引書である。
ちょっとビックリしたんですが、この本の記事を書いたのが11月の初頭だったのですよね。そこからわずか2ヶ月でこの位置です。
DSM-5が出るかという今日この頃、発達障害の疾患概念が変化しようとも、やはり臨床的な関心は高いということですね。
読みやすい本です。激オススメです。
・【ご恵贈】姜昌勲著『明日からできる大人のADHD診療』【感謝!】(13/11/04)
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いかがでしたか?皆さんが購入された本、あるいは皆さんが持ってらっしゃる本はランクインしてましたか?
今年も皆様にはお世話になりました。来年も皆さんが書籍を購入される際のご参考になるような情報をご提供できましたら幸いでございます。
さて一昨日、2014年1月1日に2013年売れ筋ランキングTOP10 カウントダウンをアップする予定です。