心理・精神医学本

春日武彦・埜崎健治 編『「職場うつ」からの再生』

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「職場うつ」からの再生

こうやってブログで紹介するために、しばしば書店の専門書コーナーを訪れて色んな本を物色しているわけなんですが、そうやって探していても見落としている良書というのはあるのですよね。

先日ご紹介した『心理療法/カウンセリング 30の心得』は2012年刊行でしたが、本日ご紹介するのも昨年出た本です。

…毎日更新するネタがないから無理矢理発掘してるんじゃないかって?

そんなことはなく…もなくもないわけですが、まあいいじゃないですか。実際にオススメしたいと思える本なのですから!

と、若干キレ気味にご紹介させていただくのがこちら。

経済状況と労働環境の変動によって生まれた難治化・長期化する「うつ」、いわゆる「現代型うつ」が席巻する時代。この時代に求められる医学的アプローチ、社会資源、家族サポート、そして当事者リハビリテーションはどのようなものだろう。実践的に解説されるのは、数々のワークを通じてステップを踏みながら、復職・再就職を達成するためのスキルとヒントを紹介する。「職場うつ」のリハビリテーションは過去の自分に戻ることを求めない。ただ、新しい自分を発見して豊かな人生を送るための「再生」を目指す――「職場うつ」を生きのびる逆転の戦略をまなぶ実践ガイド。

出版社の紹介ページでは、目次の他、編著者の埜崎健治氏による「はじめに」と同じく編著者の春日武彦氏による「おわりに」が読めます。

春日武彦,埜崎健治編 「職場うつ」からの再生金剛出版

あと、Amazonさんでも若干の試し読みができます。

この本の前半は、臨床心理士であり精神保健福祉士でもある埜崎健治氏が“当事者やその家族から教えてもらったこと、そして当事者やその家族自身が語ったこと”(「はじめに」より)からまとめた、職場復帰をふまえた「うつ」のリハビリテーションが内容の中心です。さすがに「当事者・家族から教えてもらったこと」だけあり、非常に具体的・実践的です。

そういう意味では、治療者側はもちろんですが、当事者にとってもかなり役に立つ本なのではないかと思いますし、その辺も踏まえた価格設定なのではないかと思います。

あと、後半部分は11編のコラムからなっているのですが、こちらの内容はまさに「当事者向け」が多いのではないかと思いました。「1 正しい医者選びの方法」とか「7 苦しみの後に続く未来があると知っていたら、どんなに救われただろう」とか。

職場に関連したうつというのは、臨床場面で関わっている方も多いでしょうし、これはホントに「今日から役に立つ本」だと思います。

興味がある方は是非どーぞ。

あと、このコラムを見て改めて思ったんですが、やっぱり「医者のかかり方」や「カウンセラーを探す方法」なんてのはニーズが高いはずなんですよね。近々、その手の話題についてシリーズ的に書いてみようかなと思う次第。そして、最終的には書籍化…なーんてね。

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