資格問題

臨大協の「公認心理師法案の国民と臨床心理士への影響について」に全く意味不明な部分がある件

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お前は何を言っているんだ

いつもお世話になっております、Τακäħjrö Ιŋøüé(Twitter ID:@inotti_ele)さんより、情報いただきました。ありがとうございます。

日本臨床心理士養成大学院協議会(以下、臨大協)が昨日、「公認心理師法案の国民と臨床心理士への影響について」という文章を出したそうです。

公認心理師法案の国民と臨床心理士への影響について(※pdf注意)

資格問題につきまして―第3報―(※pdf注意)にはこう書かれております。

●本法案におきまして重要なポイントである第四十二条の「医師の指示」につきまして、当協議会では、「公認心理師法案の国民と臨床心理士への影響について」として文書でまとめましたので、会員校におかれましては、お目通しいただき、ご意見を頂戴できれば幸甚です。

ということで、「〜影響について」の文書内では、私が何度か言っている「医師の指示」関連の「具体的な」問題が列挙されております…具体的でない物も多々含まれてはおりますが。

私から見ていくつか良い点もあり、ツッコミどころもあるのですが、この中で一部、全く意味不明な部分があります。そこに言及せずにはいられなかったので、取り急ぎこの一点だけに絞って記事を書きたいと思った次第。

その「全く意味不明な部分」とは…

「2 大学院修了したばかりの若い人への影響」のこちら。

③ 臨床心理学が心理学の一分野として位置づけられ、心理臨床学の独自性がなくなり、専門職としてのアイデンテイテイを持てなくなる可能性が生じる。

…一体何を言っているのでしょうか?

「公認心理師法案」が成立すると「臨床心理学が心理学の一分野として位置づけられ」「心理臨床学の独自性がなくなり」「専門職としてのアイデンテイテイを持てなくなる可能性が生じる」…思わずまた繰り返してしまいましたが、何度読んでも意味がわかりません。

まず「臨床心理学が心理学の一分野として位置づけられ」の意味が全くわかりません。前提として「臨床心理学は心理学の一分野ではない」というのがあるんでしょうね。恐らく。

百歩譲って…いや百万歩譲って臨床心理学が心理学の一分野でなかったとして、そこに位置づけられてしまうのは否定的なことであると捉えられるわけですね。

その理由は「心理臨床学の独自性がなくなるから」である、と。

…えーと…

「心理臨床学が臨床心理学とは異なる独自の専門性を持った学問である」と考える偉い先生がいるのは、それは別にいいです。私はその考えに賛同はしませんが、かと言ってそういった考え方をする人を変えようとは微塵も思いません。

でも心理臨床学が臨床心理学とは別物なのだとしたら、臨床心理学が心理学の一分野として位置づけられることは何ら問題はないのでは?別物なんだから。

そもそも前提となっている「臨床心理学は心理学の一分野ではない」という考え方ですが、それはつまり「臨床心理学は心理学の一分野である」という考えを頭から否定しているわけですよね。

臨大協の会員校の中には、色んな考え・思想を持った教員がいることでしょう。恐らくその中の少なくない人数が「臨床心理学は心理学の一分野である」と考えているのだと思うのですが、そういう考えを臨大協は(あるいはその一部の先生は)否定されるわけですね。

なんか恐ろしい思想統制の様な気がするわけで…。

そりゃあ、心理学ワールドが一つになって初めて成立した「公認心理師法案」に反対もするわけですねえ。だって「心理学ワールド」の中に組み込まれたら困るんですよね。独自性がなくなっちゃうから。

そんなことで保たれなくなる「専門職のアイデンテイテイ」って一体何なんでしょ?

「臨床心理学が心理学の一分野として位置づけられ、心理臨床学の独自性がなくなり、専門職としてのアイデンテイテイを持てなくなる可能性が生じる」の合理的な解釈の出来る方がもしいらっしゃるのであれば、是非とも教えてくださいませ。

…なんか一気に脱力した感じでございますよ。

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