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夜回り2.0について自分が危惧しているのは低賃金労働などではなく「自殺ハイリスク者を対象とした終わりなきメールカウンセリング」になることだったのだ @OVA714

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MBAのキーを叩く

これまで、14/08/05のエントリ、収益化できない事業に臨床心理士が参加することで「やりがい搾取」の犠牲になる危険性について @OVA0714と、夜回り2.0の謝金「ひとり最大月額5万円程度」は高いか?安いか? @OVA0714にて、夜回り2.0の相談員募集について言及してきました。

上記リンク先にある相談員募集の締切は8月10日で既に定員に達したという話でしたので、今さら感もあるわけなのですが、自分の中で何が問題だったのかはっきりさせたいと思いこのエントリを書いている次第であります。

未読の方はまずは上記過去ログからどうぞ。

さて、今回書く内容は前回とほとんど変わりません。

ただ気づいたのです。過去ログを読み返してみて、私が言いたかったことは結局何なのか?について。

私が危惧していたのは「自殺ハイリスク者を対象とした終わりなきメールカウンセリング」になってしまうことなのだとようやく気づきました。

前回も書きましたが、夜回り2.0の「自殺ハイリスク者とつながる機能」については非常に画期的だと思います。

ただ、その後。「自殺ハイリスク者を新たな援助資源へとつなげる機能」については、恐らく従来のメールカウンセリングと同等か、あるいはそれよりも難しい場合があるのではないかと思うのです。

なぜなら、夜回り2.0でつながる自殺ハイリスク者は、自ら積極的に援助資源を求めてきた人ではないからです。それにプラスして、メール相談が無料で行われるのであれば、有料の援助資源を求める必要は(受ける側には)なくなるかもしれません。少なくとも有料相談へのハードルは高くなる可能性が高いと思われます。

ではメールでの継続相談になったら、ある程度の時点で相談を打ち切ればいいかと言うと、それも難しいでしょう。結果として「終わりなきメールカウンセリング」になってしまう危険性が高まります。

それによって得られる報酬の多寡については割とどうでもいいんです。ただ、私は枠のないところでいつ終わるかわからないメールカウンセリングを行うのは怖いというか、私の技術では出来ませんという話でして。

んでもって、私には出来ませんが、それが出来る人もいるかもしれません。その辺に対する配慮というか、対策はなされているのか気になったのでありました。

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