臨床心理学

“心の専門家を身近にするQ&Aサービス”Reme(リミー)さんのパトロンになってみた

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Remeさんがクラウドファンディングを開始!

Reme クラウドファンディング

2015年10月にβ版サイトをオープンしたReme(リミー)さんが、この夏、大リニューアルをするそうな。プレスリリースが出てますよ。

月額500円でメンタル相談し放題。Remeが事前申し込み開始。PR TIMES

Remeは、Q&A型のお悩み相談サービスとして、2015年10月にβ版サイトをオープンしました。約半年間のテスト期間を経て、リニューアル第1弾として、ワンコインで、臨床心理士などの心の専門家に相談し放題のサービスを今夏リリースします。なお、18歳以下の方は無料で相談サービスをご利用いただけます。また、リニューアル後は、中小企業向けのストレスチェックやワンコインメンタルケアも開始します。

そのリニューアルに先立って、クラウドファンディングも開始してます。「クラウドファンディング」というのは、ざっくり言うと、あるサービスや事業などの活動・運営資金をネットを介して不特定多数から調達するという方法です。つまりネットを通じてパトロンを募集するということになります。

こちらがパトロン募集のページになりますよ。

うつ病100万人時代に。心の専門家を身近にするQ&AサービスReme(リミー)クラウドファウンディング CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

上記リンク先に記載されているように、支援は500円から可能です。

そんなわけでワタクシもパトロンになってみました(500円じゃないですけどね)。

「利用者と専門家をつなぐ」という意味で、大変素晴らしいサービスだと思いますし、高い理想を持ってらっしゃることはクラウドファンディングのページを読んだだけでもわかります。

そんなわけでRemeさんの今後に大きな期待を抱くとともに、3点だけ危惧していることもあります。

危惧その1 リアルでの支援が必要な人を取りこぼしてしまうのでは?

これが一番怖いところです。ワンコインで相談し放題なだけに、本来はリアルでの支援が必要な人に対して、延々とネットでのやり取りを続けてしまうのではないか?ということですね。

この辺りは、16/01/07のエントリ、メンタルヘルスケア事業者の集まりにお招きいただいて自分とネットとケアとの関わりについて改めて考えてみた(後編)でちょこっと触れた「オンラインでの心理アセスメントの可能性と限界」ってなところと関連するんじゃないかと思います。

この辺は、その専門家のアセスメント能力によるんじゃないかと思いますが、ただ、リニューアル第2弾としてこんなサービスも予定しているそうで。

リニューアル第2弾以降では、以下のような施策を予定しております。
トライアル終了後、順次リリースしてまいります。

(1)精神保健福祉士によるトータルコーディネートサービス
メンタルの問題でお困りの人が、より現実的な支援や制度につながりやすくするために、精神保健福祉士が専属で情報提供や仲介を行います。主に当事者のご家族のご利用を想定してます。サービス内容としては、具体的な機関の紹介・紹介機関のスタッフに対する情報提供を直接行う・困りごとに対して考えられるサービスをマネジメントし仲介すること・制度利用手続きの案内やアドバイスを行います。

これが実現できたら素晴らしいと思います。

もちろん、その前提として当事者の妥当な状態評価が可能なのか?というところはあるわけですが、とにかく単にネットでの支援にとどまらないという所は期待が持てます。

危惧その2 「心の専門家」の質を保てるのか?

16/04/21のエントリ、心理臨床家の能力をアセスメントするのって難しいよねという話で触れた内容そのままなんですけれども、とにかくRemeさんのサービスの質は、それを担う専門家の質にかかっていると思います。

サービスを担うスタッフが「資格は持ってるけど食えない人たち」の集まりになってしまうと、これはマズいわけですよ。

この辺りについてどうしていくのかというのは、近々Remeを運営する方々に直接尋ねてみようかと思ってます。

危惧その3 「心の専門家」の専門性に対して妥当な対価を支払うことは可能なのか?

ネットを介した支援サービスにおいて、ある程度質の高い専門家を集められたとして、その専門性に対して見合うだけの対価は支払うことができるのか?という辺り、私はずっと考えているのですよね。

まだ国家資格を持った心理職というのはいないわけですが、それでも医療現場においてはそれなりに機能してはいると思うのです。そして、公的な資金によってかなり支えられている医療領域では、ある程度の報酬は得られると思うのです。

で、継続的なサービスを運営する中で、どうやって専門家に対する報酬を捻出するのかといった辺りは非常に気になるところであります。

この辺りも、Remeさんの事業計画にどう組み込まれているのか、具体的な数値目標的なものをうかがってみたいところです。

それでもやっぱり期待は大きいのです

こんな感じで気になっている点はあるものの、やっぱり期待は大きいです。

これまで関わってきたという思い入れだけではなく、客観的な視点から「実現されれば素晴らしいサービス」だと思っております。

それは利用される方々にとって役にたつというだけではなく、我々専門家にとっては職域が大幅に広がる可能性があるんじゃないかとも思うのですよね。

そんなこんなで、この記事を読んで興味を持った皆様は、是非ともパトロンになってくださいな。繰り返しになりますが、500円から支援可能です。コンビニ払いも可能です。是非ともお気軽にどーぞ。

うつ病100万人時代に。心の専門家を身近にするQ&AサービスReme(リミー)クラウドファウンディング CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

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