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【読みやすくて】精神分析的心理療法の実践【(・∀・)イイ!】

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昨日コメント&TBいただいた、いちさんのブログ、いち家裁調査官といろいろネットワークの2/28のエントリー、心理テストを考えたでこんなことが書かれていました。
以下は投影法に関しての研修会での講師の言葉です。

「いらない心理テストをしていませんか?タイミングを考えないで心理テストをしていませんか?相手から『なぜこのテストが必要なのか、いま、何故このタイミングでやらなければならないのか』それをきちんとあなたは説明できますか。質問されてれば、答えなければなりません。」

「よく、あなたのこと(=当事者、患者さんのこと)をもっと知りたいからというもっともらしい理由で、相手をテストに巧みに導入することが多いと聴きますが、相手が自分の言葉で起こっている状況や自分の困っていること、病状、やってしまったことを説明できるのであれば、敢えてそこでロールシャッハや投映法を行う必然性はないはずです。
 それは、たとえて言うなら
 『やらなくてもよい手術』
をやるようなものです。もし、ロールシャッハやTATをするのであれば、心理査定の初期に行うべきです。後になって、『もっとあなたのことを知りたいから、理解したいから』という理由で心理士がテストの導入を図ったなら、相手は、
『じゃぁ、いままでは私のこと何にもわかってなかったの?!』
と怒って心理士に不信感をぶつけてくるでしょう~

私なんぞがいうことではないと思いますが、やはりさすがですね。今日ご紹介するのは、日本における医療系心理職の黎明期に中心となって基礎を築き上げたうちの一人であり、そして投影法(特に精神分析的なロールシャッハ法)や精神分析的心理療法の第一人者でもあるこの講師の先生が書かれた本です。

精神分析的心理療法の実践―クライエントに出会う前に
馬場 礼子

岩崎学術出版社 1999-09
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ロテ的お薦め対象:大学院生~現場の人;臨床実践に役立つ本
ロールシャッハに関する本かと思いきや、精神分析的(力動的)心理療法の入門書です。この手の本というと、鑪先生の本とかが有名ですが、この本、隠れた(って知ってる人は知ってると思いますが)名著だと私は思います。
アマゾンの推薦文を見ても分かると思いますが、非常に読みやすい本です。元々、著者である馬場先生の講義を受講した院生がそのテープを起こして本にしたというものであり、実践上必要な事柄について平易な文体で表現されています。
私も最近、久しぶりに読み返してみましたが、やっぱりいい本です。先日は心理面接全般に関する本をご紹介しましたが、精神分析的(力動的)心理療法を志向する人はこの本をまずは読んでみるとよろしいかと。かなりお薦めです!
ちなみにわたくし、個人的に馬場禮子先生萌え~です。てか禮子タン萌え~です(←恐い物知らず)。馬場先生は顔は恐いけど、優しい先生だと思います(弟子筋の方々は顔だけじゃなく中身も恐いとおっしゃいますが…)。

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