心理・精神医学本

2009年第3四半期売れ筋ランキング

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10月です。今年も残り3ヶ月。よく言われる話ですが、なんか年々時間の流れるスピードが速くなっていってる気がします。
そんなわけで3ヶ月に一度、恒例のアレ。
第2四半期のトップ5はこちらでした。
2009年第2四半期売れ筋ランキング(09/07/01)
第5位 面接法
第5位 集中講義・精神分析 上 (1)
第5位 精神科における予診・初診・初期治療
第3位 精神分析的心理療法の実践―クライエントに出会う前に
第3位 精神分析的人格理論の基礎―心理療法を始める前に
第1位 やってみよう! 統合失調症者への社会・心理的アプローチ―ソーシャルワーク・福祉の力でどこまで回復できるか
そんな感じで第2四半期は堅調なランキングとなっておりましたが、第3四半期はいかに?
ではチェケラ。


第5位

ケース概念化による 認知行動療法・技法別ガイド――問題解決療法から認知療法まで ケース概念化による 認知行動療法・技法別ガイド――問題解決療法から認知療法まで

遠見書房 2009-05-01
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本書は,問題解決療法,認知療法,リラクセーション,不安管理訓練,行動修正,自己主張トレーニング,ケース概念化アプローチといった認知行動療法(CBT)のほとんどすべてを網羅する技法書で、その多彩なテクニックとその理論背景について詳細に書かれた実用的な一冊です。ノウハウだけではなく,うつ,不安障害,境界性パーソナリティ障害の事例検討も所収し,実際の臨床現場で役に立つものとなっています。
著者は,米国の『Journal of Clinical Psychology』誌の編集委員の経験もあるベテラン認知行動療法家。臨床と教育,研究活動にかかわってきた経験と,200を超える文献をもとに書かれたもので,いま一番読まれるべき本となっています。
本書には,血の通った本物のCBTが息づいており,クライエントのニーズに力強く応えることができるでしょう。臨床実践をするすべての方に読んでいただきたい一冊です。

「お世話になっております」な感じの遠見書房さんの本。手堅い感じです。CBTによる境界性パーソナリティ障害の事例検討は個人的に興味大。
初出エントリ:【遠見書房の】『ケース概念化による 認知行動療法・技法別ガイド』『やってみよう! 統合失調症者への社会・心理的アプローチ』【新刊2冊】(09/04/09)
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第4位

よくわかる臨床心理学 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ) よくわかる臨床心理学 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)
下山 晴彦

ミネルヴァ書房 2009-08
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好評の旧版を再構成し、より詳しく、新しく、わかりやすくした新版。臨床心理学の基本を網羅したテキスト。

ご紹介したのが9月9日。それから1ヶ月足らずですが、結構な勢いでございました。教科書系の需要はやっぱり大きいかな、と。引用されている文献を読んでいくことも含めて、院試対策の第1歩にもオススメかと。
初出エントリ:改訂新版『よくわかる臨床心理学』
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第3位

精神分析的人格理論の基礎―心理療法を始める前に 精神分析的人格理論の基礎―心理療法を始める前に

岩崎学術出版社 2008-07
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おすすめ平均

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名著『精神分析的心理療法の実践』と合せ,心理療法の基礎知識を

「早くも重版出来!」なこの一冊がやはりランクイン。ちなみに「重版出来」は「じゅうはんでき」ではなく「じゅうはんしゅったい」と読みます。これ豆知識な(←うぜえ)。
馬場先生的な偏りはありますが(ってどんな?と言われると辛いのでその手のツッコミはなしの方向で)、コンパクトにまとまっていてやはり読みやすいと思うです。初学者から中堅までそれぞれのニーズに幅広く対応する1冊かと。
初出エントリ:【で、】馬場禮子著『精神分析的人格理論の基礎』【この本どうなの?】(08/08/22)
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第2位

子どもの心と学校臨床(第1巻)特集:学校でうまくゆく心理アプローチと考え方 子どもの心と学校臨床(第1巻)特集:学校でうまくゆく心理アプローチと考え方
村山正治

遠見書房 2009-08-20
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1990年代に始まったスクールカウンセラー制度は不登校,非行,いじめ,学級崩壊などの問題に対応することで評価を得てきました。しかし,公立学校の崩壊やゆとり教育のひずみ・転換,特別支援教育の実施,モンスターペアレントなどと呼ばれる困った親たちの出現など,学校が背負う問題はいまも多岐にわたっています。こうした子どもたちの問題は,学校教諭や養護教諭がひとり抱え込むものでも,保護者だけが負うものでもなく,スクールカウンセラーなどの支援者が孤軍奮闘してどうにかできるものではありません。学校臨床では,多層的で,多面的で,協同的な支援こそが望まれています。

本誌『子どもの心と学校臨床』は,そうした理想を現実化するよう,学校臨床にかかわる人たちのためのオピニオンや実用的な情報をまとめた雑誌として創刊するものです。スクールカウンセラーや学校関係者が,よりより子どもと学校における援助者・支援者となれるよう,一緒に学んでゆける雑誌にしたいと考えています。

またまた遠見書房さんから。先日の学会会場でもちょこっと読ませていただきましたが、すげえ豪華な編集同人メンバー・執筆陣であり、(ほぼ)一人の出版社でこの雑誌を完成させるというのはやはりすげえ能力だと思った次第。そういや遠見書房さんではまた新たな雑誌の企画もあるとかないとか(…って話はここでしてもいいのだろうか?まずかったらご指摘くださいませ)。
そして、やはり学校臨床がらみというのは需要があるのだなあと思いましたとさ。
学校臨床に関わる人は是非どうぞです。
初出エントリ:『子どもの心と学校臨床』創刊号 特集:学校でうまくゆく心理アプローチと考え方(09/08/14)
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そして第1位。

第1位

精神科臨床における心理アセスメント入門 精神科臨床における心理アセスメント入門

金剛出版 2009-06-19
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チェックリストでもラベリングでもない「心理アセスメントの六つの視点」を,第七の視点(here and now)で有機的につなげ,クライエントの立体的な全体像をとらえるために――若手臨床心理士に贈る「心理アセスメント入門」必携書。
心理アセスメントの六つの視点(トリアージ1・トリアージ2・病態水準にまつわる要素・疾患にまつわる要素・パーソナリティ・発達生活の実際)から得られたものは,第七の視点(here and now)を通じて集約され,ネットワークのようにつながりながら立体的に存在する。臨床心理面接と不可分な“それ”は“家”のイメージであり,アセスメントから得られた成果をヒントにクライエントの全体像を立体化してゆく内的努力を,セラピストは学派を越えて行なっている。この“家”(=心理アセスメントにおける六つの視点を通じて成っている立体的な像=臨床心理学から見たその人の全体像)のなかでクライエントとセラピストが共生するイメージ――それこそが,真の心理アセスメントである。

来ました。やはりアセスメント関連は強い…というか、ワタクシ的に興味があるから強く押してるってのが、多分に影響しているかとは思います。とりあえず良い本だと思います。とりあえずアセスメント関連の業務に携わっている人は読め…ってことは精神科臨床に携わっている人は、みんな読めってことですわな。
初出エントリ:津川律子著『精神科臨床における心理アセスメント入門』(09/07/23)
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というわけで、新旧おりまぜて…という感じだった今回のランキング。皆様がご購入された、あるいは持っている本は入っておりましたでしょうか?
今後も読者の皆様にとって役に立つ書籍紹介ができたらな…と思う今日この頃でございます。
…って、日心臨の書籍販売で気になった本紹介、まだ終わってないことに今気づいた次第でございます。はい。がんばります。死なない程度に。

そんでもって、お時間あれば順位確認後戻ってきていただけるとうれしゅうございますよ学問・科学ランキング

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