心理・精神医学本

『臨床心理学』Vol.9-No.3(金剛出版)

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読んでみた。

臨床心理学 Vol.9 No.3 (9) 臨床心理学 Vol.9 No.3 (9)

金剛出版 2009-05
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特集は「子ども臨床において事実を分かちあう」ってことで、村瀬嘉代子御大を始め、有名どころが色々と書かれております。子どもに関わる機会が多い方は読むのが吉。
個人的に大変気になったのが、(普段はあんま気にしないところの)投稿論文。ちゃんと査読されておりますし、載ればきっちり業績になるってこともあって、ワタクシも以前某氏に投稿を薦められたりもしたのですが、ネタがなかったので出来ませんでした。
で、原著論文
末木新 2009 自殺系掲示板の持つ自殺予防効果の構造. 臨床心理学, 9(3), p369-381.
これって、当ブログの過去ログ
自殺のこととか(08/06/20)
ネットを使った卒論のためのアンケート調査について思うところなど(08/06/25)
で、ちょこっと取りあげました
自殺サイト:自殺 臨床心理学
での調査をまとめたものですよね。ちゃんとまとめたのはすげえ。


詳しい内容に関しては本誌を見ていただければと思いますが、ちょっと気になったところ。
・mixiでは「スレッド」じゃなくて「トピック」ですわな
…って、これはホントに些細なことで申し訳ない。
・やっぱり自殺系掲示板の正の側面と同じくらい負の側面も気になる
…上記文献の本文中でももちろんその辺は言及されているのですけどね。ただ「従来の紋切型のイメージで考えられた負の側面」ってのと「正の面の帰結として生じる問題点」の違いはよくわからんです。
正の側面の帰結として生じる負の側面もあるだろうし、そうでない負の側面もあるのではないかと思うです。
いずれにしても、問題点・負の側面が生じるメカニズムってのは今回の研究同様の手法で分析可能なような気がします。ひょっとしたら手持ちのデータでかなり分析可能なのではないかと思ったり。
あ、あと
・やっぱ質的研究はめんどくさそう
…とりあえず卒論なんかで安易に質的研究やろうなんて大それたことを言うような輩は色々と考え直すのが吉。
そんな感じで、筆者による今後の研究に期待!であります。
その他の記事も色々と面白かったので、興味のある方は是非。

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