資格問題

奈良県臨床心理士会のウェブサイトに掲載されてる「心理士の国家資格化と日本臨床心理士会の動きについて」も読んでみよう その1

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さて、間が開いてしまったため、どこまで書いたのか自分でもぼんやりしてしまっているのですが…とりあえず過去ログを読み直してみましょうか。

こちらですね。

奈良県臨床心理士会のウェブサイトに掲載された「緊急・国家資格化に向けて鳥取県から」を読んでみた その1(12/05/23)
奈良県臨床心理士会のサイトから「緊急・国家資格化に向けて鳥取県から」の文章が削除されている件(12/05/28)
奈良県臨床心理士会のウェブサイトに掲載された「緊急・国家資格化に向けて鳥取県から」を読んでみた その2(12/05/29)
奈良県臨床心理士会のウェブサイトに掲載された「緊急・国家資格化に向けて鳥取県から」を読んでみた その3(12/05/31)

ちなみに、今日見てみたら、今回取り上げるこちらの文章

お知らせ[心理士の国家資格化と日本臨床心理士会の動きについて]|奈良県臨床心理士会

Googleのキャッシュも既に修正後のものになっておりました…いやあ、スクリーンショットを保存しておいて本当によかった。


お知らせ[心理士の国家資格化と日本臨床心理士会の動きについて]|奈良県臨床心理士会(cache)スクリーンショット

では見ていきましょうか。

まずは細かい内容について言及する前に、5/22時点で保存されたキャッシュと現時点でアップされている文章との差異についておさえておきたいと思います。

修正点の一つ目は3段落目ですね。

修正前

これに対し、「日本臨床心理士会」は「このような提案は承認できない」と拒否、あくまでも臨床心理士の不利益(つまりは利用者の不利益)を望んでいるかのような国家資格の創設を目指す構えです。日本臨床心理士会は現状での国家資格によって引き起こされるデメリットについては一切の言明を避けていますが、次の可能性が予測されることをお知りおきください。

こちらが修正後

これに対し、「日本臨床心理士会」は「このような提案は承認できない」と拒否しています。日本臨床心理士会は現状での心理士資格の国家資格化によって引き起こされるデメリットについては一切の言明を避けていますが、以下のような可能性もないとはいいきれません(あくまでも個人的な推測です)。

なんだかずいぶんと文章のトーンが変化しているように思えるのですが…

「臨床心理士の不利益=利用者の不利益」というスタンスはなくなっちゃったんでしょうか?しかも修正前の「臨床心理士の不利益(つまりは利用者の不利益)を望んでいるかのような」という辺りは、日本臨床心理士会に対する攻撃の意図すら見え隠れしている気がしますが、なぜこの点が修正されたのか是非とも教えていただきたいところです。

そして最後にこれが追加されてますね。

「(あくまでも個人的な推測です)」

と。

個人的な推測に基づく文章というのはつまり「個人的意見」なのだと思いますが、以前はその点について明言されないまま公的な組織からの「お知らせ」として掲載されていたということです。修正前の文章を読む限り、あの意見は奈良県臨床心理士会の公式コメントであると理解する人は少なくないと思います。

これは当該サイトの、ひいては奈良県臨床心理士会の「私物化」であると捉えられても仕方がないのではないでしょうか?

このブログを読んでらっしゃる方の中に奈良県臨床心理士会の会員の方はいらっしゃいますか?その方々はあの文章が掲載されることを事前にご存じでしたか?現時点では「個人的意見である」と明言されていますが、それを踏まえた上で、現在あの文章が掲載されていることについて、疑問に思われる方はいらっしゃらないのでしょうか?

奈良県臨床心理士会の場合は、誰か会員の方が「自分の文章を載せたい」と希望を出せばサイトに掲載してもらえるのでしょうか?その場合、どんな手続きを踏む必要があるのでしょうか?ついでに言えば、どんな手続きを踏んで山崎氏はあの文章を掲載できたのでしょうか?

前回の記事で述べたことの繰り返しになってしまいますが、私には自分が所属する地域の臨床心理士会に自分の個人的意見を掲載するだけの権限はありません。いや、もしかしたら自分が知らないだけでその権利は持っているかもしれませんが、私はその権利を行使したいとは思いません。そうすることで職業的・社会的に不利益を被る可能性が考えられるからです。

もしかしたら奈良県臨床心理士会の中には、山崎氏と反対の意見を持っている方がいるかもしれません。もしかしたら、その方もサイトに自分の意見を掲載する権限は持っているかもしれません。でも、もしかしたら私と同じような考えで自分の意見をサイトに載せようとは思えないのかもしれません(「かもしれない」ばかりで大変恐縮です)。

その場合、当の山崎氏にはそのつもりがなく「ちゃんとみんなが意見を言う場はある」と主張したとしても、やはり結果的に「私物化」してしまっているのではないでしょうか?

さて、気づいたらこんなに長くなってしまいましたので、また続くことになるわけなのですが…

既にご存じの方もいらっしゃるかもしれません。6月1日づけで裕’s Object Relational Worldにこんな記事がアップされてます。

奈良県臨床心理士会ウェブサイトについて - 裕’s Object Relational World

一部引用しますと

最後のところの「ある団体に対して意見を述べる以上、誰が文章を作成したかを明らかにするのがマナーである」と指摘したのはぼく

ということなのだそうです。

…しかし、これって「マナー」以前の「常識」だと思うのですが…。知らないで「私物化」していたのだとしたら、知っててやるよりもある意味タチが悪いように思えます。その行為に疑問を感じていないということですから。

あと、奈良県臨床心理士会のウェブサイトに掲載された「緊急・国家資格化に向けて鳥取県から」を読んでみた その2のコメント欄では、何人かの方からコメントいただいており現在も議論が進行中です。こちらも目を通していただいた上で、皆様からのご意見いただけると大変ありがたく存じます。

そんなわけで続きます。

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