資格問題

「某O塚御大の講話」に関するレスへのレス

投稿日:

08/12/27のエントリ、某O塚御大の「講話」を聴いて思ったことに関して、はらぶろの09/01/06のエントリ、某O塚御大「講話」について。で言及してくださっております。
ありがとうございます。
全般的には私もほぼ同意見です。ほぼ同意見なんですが、気になる点が一点だけあります。
引用します。

この「某団体」が今後もどうしようもないのであれば、他の団体で抑えていかないといけないと思う。この「某団体」のみが法人格を持って、ちょっと優位という時代はこの3月で終わる。4月からが新しいスタートではないかと思う。新しいスタートにしていかないといけない。

「他の団体」がどの団体なのかはわかりませんが、少なくとも私が取り上げた大塚義孝氏(あ、言っちゃった)の講話は日本臨床心理士会なり臨床心理士資格認定協会なりの総意かと言うとそういうわけではないのではないかと思います。そしてそれが一部の意見であり、仮に現実化される方向へ動いたとしても恐らく上手くはいかないでしょう。短期的、局所的には何らかの効果がある(=業績はないけど大学教員になって1000万プレイヤーうまーな人の出現)かもしれませんが、そうした効果が長続きしないであろうことは普通に考えれば誰にでもわかることではないかと。
大塚氏は明言してはいませんでしたが、恐らく(こればっかりで大変恐縮でございます)あの文脈で「業績がなくとも大学教員に」というのは、現在それなりにキャリアのある臨床家に対する意見だったのではないかと思われます。年齢にして40代後半くらい(あ、この辺は相当てきとうな数値です)からが対象になるんじゃないですかね。
あのエントリでいただいたlateral55さんからのコメントにはこう書かれております。

under40世代は人数が多いだけでなく,業績があるひとも少なくないので,大学への就職は簡単ではありません。

多分そんなunder40世代の人々はわかってると思いますよ。大塚氏の話がいかに現実味がなく、ばかげた話であるかということは。だからこそそれなりに業績を積もうと思っているんでしょうし、臨床実践の能力に関してもやはり危機感を持って学ぼうと思っている人は少なくないです。とりあえず私の周りではそういう人が多いです。
で、そういう世代の人々がちゃんと危機感を持っていれば、「某団体の今後がどうしようもない」ってことはないと思うのですがいかがでしょう。
はらぶろ管理人さんも引用しているこの本

臨床心理士の歩みと展望 臨床心理士の歩みと展望
日本臨床心理士資格認定協会

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の、この部分。下山晴彦氏による

ぜひ、今後は本当の若手の皆さんによって運営されていく協会、ひいては臨床心理学にしていくことが、この先20年の協会の重要な課題であると言えます。

この部分はまさにその通りで、よくわからない「他の団体」よりもまずは若手の臨床家、臨床心理学者がどれだけ自分自身の問題として資格問題だったり、就労問題だったりに関与していけるかってことが重要なのではないでしょうか。
以上、私が取り上げた大塚氏の講話から「某団体の今後はどうしようもない」という論を展開されるのは本意ではないので書いてみた次第でございます。そして最初に書いたように、その他のご意見に関しては全面的に同意でございます。

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