ちょっと不謹慎だとは思いますが、昨日、書店でこの2冊が隣同士で並んでいるのをみて思わず笑ってしまいました。
ノーベル賞に匹敵するといわれる「ペトカウ効果」をつぶさに紹介、原発・核実験の放射能汚染を徹底検証した世界的労作の初邦訳。
世界の核災害調査結果との比較からわかる福島の低線量事象
誤った政府介入による住民と家畜の被害が甚大
福島の核放射線は心配なく健康被害なし世界の核災害地と比べて、福島の放射線衛生上の実被害は極めて低い。より厳しい核被災地や核汚染地が復興したり、人びとが再定住している現実からしても、また、放射線防護学の見地からしても、福島県はもちろん、福島20キロメートル圏内も必ず人びとが暮らせるようになる。その日は遠くない。
簡単に言えば「真逆の内容の本」ですね。
『人間と環境への~』の方、「ペトカウ効果」が今ひとつよくわからん感じだったので、ググってみたら…見つけました。
こちら。
「ペトカウ効果」は低線量被曝が健康に大きな影響を与える根拠となるのか?(ぷろどおむ えあらいん)
このブログを書かれている方は「化学屋」さんということで、放射線関連は専門ではないのでしょうけれども、実際に元文献を取り寄せて読んだ上での解説なのが非常に好感が持てます。
ついでに『人間と環境への~』の編者の一人であるErnst J. Sternglassという人の打ち出した説に関するツッコミも丁寧にやってくれてます。てか、このリンク先を見れば非常によくわかるです。
乳幼児の死亡率に関するスターングラスの説(原子力百科事典 ATOMICA - (財)高度情報科学技術研究機構)
この本、時間がなくて目次しか見てないんですが、なんかものすごく「トンデモ臭」のする言葉が並んでました…ただ、あくまでも目次しか見てませんので断言はできません。
Amazonさんのカスタマーレビューでは大変評価が高いのですが、そりゃあ「放射能怖い」情報を求めてる人にとってはすげえいい本でしょうね。
購入される方はあくまで自己責任でどぞ。あとで私に文句言われたりしてもちょっと困っちゃいます。
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そしてもう一冊。『福島 嘘と真実』の方。
上記の引用部分にもあるように「福島の核放射線は心配なく健康被害なし」という立場をとる本です。
その根拠が、大変わかりやすい図解をふんだんに用いて解説されておりました。
ただ著者の高田純氏、札幌医科大学教授で専門は放射線防護学なのだそうですが、以前にこんな本も出してまして。
こちら本では「昆布がヨウ素剤の代用になる」といったことも書かれているようで…それって放射線医学総合研究所が否定してたんじゃないでしたっけ?
とりあえず反原発派の人からすると、間違いなく「御用学者」として批判の対象になるようなタイプの学者であることは間違いないっぽいです。
こちらに関しても、やはり購入に際しては「自己責任」でよろしくです。
…って完全に放りっぱなしな感じになっておりますが、自分の専門でもなく、かつちゃんと読んだわけでもない本なのでこれくらいしか言えないということで…すんません。
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個人的には「原発事故がらみの一連の騒動の心理的影響」についてすごい興味があるんですけどね。「放射線の心理的影響」ではないって辺りはご注意を。まあ実際に研究するとしたら倫理的問題もあって色々難しそうなんですが、関東圏の人対象であれば、なんとか出来そうな気もするんですけどね。
それとももう、誰かやってんのかな?やってる人いそうな気もします。