29日のエントリ、【エクスナーの】学会で見つけた本【入門書】の第2弾!というほどのものでもない書籍のご紹介。
昔、病院で心理検査を取り始めた頃、先輩からこんなことを言われました。
「検査をとる時に、その疾患の患者さんが初めてであれば、その疾患に関連したロールシャッハの論文を5本は読みなさい」
と。
これ、極めて妥当な意見だと思います。それくらいしないと、まともな所見は書けないと思います。
大前提としてその疾患に関しての知識は必要ですし、検査上どんな特徴が出ることが多いのか知っていなければ、その患者さんが持っている「ズレ」を把握することはできないわけでまともな検査所見は書けません。
ということで、現場でロールシャッハをする人にとって必携の本、実はこれではないかと思うですよ。
ロールシャッハ研究 1985年版―27号 特集:症例特集 ロールシャッハ研究編集委員会 金子書房 1985 |
ロールシャッハ研究 1986年版―28号 特集:家族関係とロールシャッハ法 ロールシャッハ研究編集委員会 金子書房 1986 |
ロールシャッハ研究 1987年版―29号 特集:各科臨床とロールシャッハ法 ロールシャッハ研究編集委員会 金子書房 1987 |
ロールシャッハ研究 (30(1988)) 「ロールシャッハ研究」編集委員会 金子書房 1988-09 |
ロールシャッハ研究〈VOL.31(1989)〉平凡反応 ロールシャッハ研究編集委員会 金子書房 1989-10 |
ロールシャッハ研究〈VOL.32(1990)〉心理治療とアセスメント ロールシャッハ研究編集委員会 金子書房 1990-10 |
ロールシャッハ研究 (33(1991)) 「ロールシャッハ研究」編集委員会 金子書房 1991-10 |
ロールシャッハ研究 (34(1992)) 「ロールシャッハ研究」編集委員会 金子書房 1992-12 |
ロールシャッハ研究 (35(1993)) 「ロールシャッハ研究」編集委員会 金子書房 1993-12 |
ロールシャッハ研究〈36〉ロールシャッハ法の基礎研究 「ロールシャッハ研究」編集委員会 金子書房 1994-10 |
ロールシャッハ研究 (37(1995)) 「ロールシャッハ研究」編集委員会 金子書房 1995-10 |
ロールシャッハ研究〈VOL.38)〉特集 ロールシャッハ法の学び方をめぐって―シンポジウム’95 「ロールシャッハ研究」編集委員会 金子書房 1996-10 |
ロールシャッハ研究〈VOL.39〉特集 PTSD(外傷後ストレス障害)のロールシャッハ・テスト 「ロールシャッハ研究」編集委員会 金子書房 1997-10 |
『ロールシャッハ研究』は日本ロールシャッハ学会設立前に学会誌というよりは書籍に近い形式で販売されていたものです。
データとしては若干古いものになってしまいますが、それでも現在の臨床実践の役に立つ内容は多々ありますし、現代の臨床像にそぐわない部分があるとしたら、再検討の余地が出てくる…つまり研究のネタになる可能性もあるわけです。
私も30巻以降は全て持っていますが、結構重宝してます。「図書館で閲覧できるし」という方も、手元に持っていた方が便利は便利だと思います。
ちなみに記載のない号の特集については以下の通り
30号(1988年版)…特集:30年記念シンポジウム
33号(1991年版)…特集:コンピュータ利用の諸問題
34号(1992年版)…特集:各領域の実態と症例
35号(1993年版)…特集:ロールシャッハ・シンポジウム'92
37号(1995年版)…特集:うつ病およびその周辺領域
となっております。
ちなみにロールシャッハを知らない方が読んでも全くちんぷんかんぷんだと思いますので、現場でロールシャッハを使っている人・使いたいと思っている人推奨でございます。多分、知らない人が買っても4~5,000円也をドブに捨てるのと一緒かと思われます。
いずれも出版社の方では在庫僅少だそうですので、ご希望される方はお早めに…
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