臨床心理学

娘とピアノとSST

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なんかタイトルが「部屋とワイシャツと私」っぽい。あるいは「俺とお前と大五郎」とか。
んなことはどーでもいいんですが、今年の4月から本人のたっての希望もあり、我が家の長女(幼稚園年中さん)がピアノを習い始めまして。一応、毎日練習するという約束で始めて、基本的にそれはほぼ達成できています。母親が厳しいし、なにより長女自身も上手く弾けるようになっていくのがとてもうれしいこともあって。
で、休みの日なんかは私も教えたりするんです。一応、ホントに一応、小学校6年間ピアノ習ってたし。中学、高校と吹奏楽部だったし。
それで、ピアノ教えてるとつくづく思うのですよ。
仕事でSSTやっててホントによかったなあと。
あ、ちなみにこの本、すげえいい本です。病院臨床においてSSTやる人は必携の一冊かと。

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私なんかが書いたオススメ文を読むよりも、こちらを見るのが早いと思います。
医学書院/週刊医学界新聞(第2770号 2008年02月25日) SSTに「正解」はありません。そのことをこの本で伝えたかったのです。 舳松 克代氏(田園調布学園大学助教/臨床心理士)に聞く
…えーと何の話でしたっけ…。そうそうピアノの練習とSSTってことですよ。


SSTってご存じの通り「Social Skills Training:社会生活技能訓練」ですよね。認知行動療法的な技法を用いて、社会技能のトレーニングをする、と。んで、その方法論は別にSocial Skillだけじゃなく、もっと広汎なSkill一般に適用できるのではないかと思うですよ。
そして「ピアノを弾く」ってのもSkill=技能ですわな。
色々なやり方、考え方があるとは思いますが、私の教わったSSTの方法は
1)練習する課題を決める(=問題のアセスメント)
2)場面を作って1回目の練習をする
3)良いところをほめる(=正の強化)
4)さらに良くする点を考える(=問題のアセスメント)
5)必要ならばお手本を見る(=モデリング)
6)もう一度練習する
7)よいところをほめる(=正の強化)
8)チャレンジしてみる課題を決める
9)実際の場面で練習してみる
10)次回に結果を報告する
という手順で行います。
これ、ほぼそのままピアノの練習に当てはめることができると思いますし、実際に私はそれやってます。「ほめる」ってホント単純なポジティブフィードバックなんですが、ものすごい喜ぶのですよね。うちの長女。
で、こういう枠組みの中でやっていくと何がいいかって「不必要にイライラしないで済む」ってのがあるような気がします。
自分の子どもや、あるいは弟妹に勉強なんかを教えたことがある人はわかると思いますが、なんか身内に教える時ってやたらとイライラしません?特にわからなかったり、できなかったりする場合、仕方ないのは理解できるんですが、自分の感情をコントロールするのが難しい…みたいな体験をしたこと…ないですかね。
仕事でやるようにわりと淡々と上記の手順に従って教えていけば、そんなイライラすることもないです。個人的には。
そんな感じでSSTやっててよかったなあ…と思うワタクシなのでした。
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技能と言えば、08/08/23のエントリ、イルカショーでも触れたように、もっと厳密に応用行動分析の技法を使えば、より効果的に教えることができるかもしれません(詳しくはわかんないけど)。
そして、原理主義的行動論者の中には「SSTを行動療法と一緒にしてくれるな」という方もいらっしゃるかもしれません。
んでもまあとにかく、漠然と教えてるよりは行動論的な理解をすることでよりやりやすくなるってところはあるんじゃないかと思った次第でございます。
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そして…もう今日ですね。これ行ってきます。
第14回SST経験交流ワークショップ(@一橋大学)
久しぶりに色んな人に会えるかもしれないので、ちょっと楽しみだったり。

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