プリキュア

思いがけない場面での黒と白

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先日、ちょっと必要にかられましてこの本を読んでたんです。

ジェンダー・アイデンティティ―揺らぐ女性像 (現代のエスプリ別冊) ジェンダー・アイデンティティ―揺らぐ女性像 (現代のエスプリ別冊)
伊藤 裕子

至文堂 2006-06
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この中に収録されている
青木紀久代 2006 摂食障害 伊藤裕子(編) 現代のエスプリ別冊 ジェンダー・アイデンティティ 揺らぐ女性像 至文堂 pp.191-200.
は、摂食障害を「ジェンダーの病」と捉え、ダイエットを症状の一部として論じている辺りが非常に面白いです。というか、そういう議論は既に色々なところでなされていますが、この本のテーマが「ジェンダー・アイデンティティ」ですので、特にその辺に力点が置かれているということで。
…って話がしたかったわけではなくですね、こうペラペラとめくってたんですよ。そしたら、なんだか(ワタクシ個人的には)見慣れたあの2人組が!
ふたりはプリキュア in 現代のエスプリ別冊
プリキュアktkr!
ふたりはプリキュア東映アニメーション


相良順子 2006 子どもとテレビ 伊藤裕子(編) 現代のエスプリ別冊 ジェンダー・アイデンティティ 揺らぐ女性像 至文堂 pp.267-279.
子ども向けのテレビ番組の内容分析をしているいくつかの研究を概観し、テレビがジェンダーに関してどんなメッセージを伝えているのかが論じられております。
ちょこっと引用(引用元は縦書きでしたので数字表記は変更してます)。

1960年代、80年代、90年代の合計13の子ども用アニメ番組における男女の描かれ方を分析した藤田(1996)によると、作品の中では、男の子が強く、女の子が優しい、または弱く描かれるという組合わせは年代を問わずみられるものの、90年代の番組では、男の子よりも強い女の子も登場するようになる。「美少女戦士セーラームーン」はその代表的なアニメである。

ヒロインが強い戦士であるというテーマは、2004年に民放で放映が開始された女の子の人気番組「ふたりはプリキュア」にも継続されている。この番組は、中学生の女の子2人が、宇宙から送り込まれる邪悪な敵に対して戦うというストーリーで、2人が変身した後の行動は、従来の女の子らしいステレオタイプと異なるものである。

現在放映中のシリーズ、Yes!プリキュア5GoGo!ではさらにその傾向が強くなり、「力のない王子様(=人間態はイケメンだが正体はモフモフ謎生物)を守る強い女の子(=プリキュア)」像が明確に描かれております。
女児向けアニメでここまで「男が弱い」のは相当画期的なのではないかと思うのですが、その辺は過去の他作品もつぶさに見ていかないと何とも言えないところかもしれません。ただ、少なくともそれなりにヒットした作品で、と限定すれば初めてなんじゃないでしょうか。
で、結局上記論文では

今までの研究によると、テレビの影響の測定は単純ではないものの、およそテレビ視聴は子どもの伝統的な性役割観を強める傾向にあることを示すものが多い。その影響自体は、大きくはないが、毎日テレビに接している子どもへの影響を過小評価するわけにはいかない。今後の女性の描かれ方の変化を追跡しながら、テレビの子どもへの影響は検討され続けるべきであろう。

としています。
確かにそうかもです。同一シリーズで既に「女強男弱」傾向が強くなっていることを考えても、今後さらなる研究が待たれるところです。
そんなわけで、ワタクシ的結論は以下の2点。
1)プリキュアの絵、でかくね?
現代のエスプリのページ構成上、仕方ないのかもしれませんが、とりあえず図版でか杉な気がします。
2)「ふたりはプリキュア」の敵は宇宙から来るんじゃなくて「ドツクゾーン」という異空間から来るんだよ!

この番組は、中学生の女の子2人が、宇宙から送り込まれる邪悪な敵に対して戦うというストーリーで、

ちげーよ!
・・・・・・・・・・
そんな感じで今日も朝からヲタ丸出しなワタクシでした。ついカッとなってやった。でも反省はしていない

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