学会のウェブサイトでも告知されているのでご存知の方も多いかと思いますが、日本心理臨床学会の特別課題研究『医療領域の多職種協働チームにおける臨床心理専門職の役割に関する研究』の研究班がアンケートを実施しております。
・臨床心理職と他職種との連携や協働を発展させるためのアンケート協力のお願い(※pdf注意)
厚生労働省は「入院医療中心から地域生活中心へ」をモットーとして、多職種協働のチーム医療を方針とする政策を積極的に進めています。臨床心理学においても、この方針に対応して多職種協働チームに臨床心理職が参加し、活躍できるような教育訓練システムを構成することが必須となっています。
そこで、日本心理臨床学会では、特別課題研究として『医療領域の多職種協働チームにおける臨床心理専門職の役割に関する研究』を採択し、改革が進みつつあるメンタルヘルス政策を調査し、それに適した養成モデルを提案することを目指しています。既に昨年4月に第1回アンケートを実施し、その結果については(ローデータも含めて)下記サイトに掲載しておりますが、今回はそれを受けての第2回アンケートとなります。
本アンケートは、今後の臨床心理職の活動モデルの構築と、教育訓練カリキュラムの改善に向けての参考資料とさせていただくためのものです。メンタルヘルス政策の改革は、医療・保健領域だけでなく、他の諸領域にも大きな影響を及ぼすものと思われます。 医療・保健領域以外で活動されている皆様も含めて、ご協力をお願いいたします。
だそうで。心理臨床学会会員の皆様におかれましては、ご協力差し上げるとよろしいかと存じます。
上記引用部にもあるように、第1回アンケートの結果は当該ページにて閲覧及びダウンロード可能です。
・臨床心理職と他専門職との連携や協働を 発展させるためのアンケート結果の報告(日本心理臨床学会特別課題研究 ウェブサイト)
・「心理職の協働に関するアンケート」の分析結果 2013年2月まで(日本心理臨床学会特別課題研究 ウェブサイト)
ローデータのexcelファイルまでダウンロード可能だというのはかなり太っ腹だと思います。
結果概要については、2012年9月の心理臨床学会秋季大会の特別課題研究シンポジウムにおいて口頭発表しました。
上記シンポジウムの議論に基づき、「臨床心理学」誌(金剛出版)13巻第1号に「対人援助職の必須知識 精神医療を知る」という特集を組み、関連する論文をまとめて掲載しました。
ということで、よろしければこちらもどーぞ。
しかしこの研究、代表者は東大の下山晴彦氏であり、さらに今後の臨床心理職の養成カリキュラムにも関わってくるとあって「どうせ(とか言っちゃいけないですね)認知行動療法寄りなんでしょ?」と思ってたりもしたんですが…
研究メンバーを見てみると、鑪幹八郎氏や、妙木浩之氏など、力動的・精神分析的な臨床を専門とされる先生方もしっかり入っているのですよね。
…と考えると、今後どんなカリキュラムを作成していくか、そのための準備は着々と進んでいるし、少なくない人数(前回のアンケートはN=1397となっておりましたね)がその議論を形成する一端を担っている、ある意味では議論に加わっていると言えるんじゃないでしょうか。
もちろん、現在実施中のアンケートも含め、こうした調査の結果を叩き台として、本格的なカリキュラム作成が進んでいくのだと思います。
…それとももう遅いんですかね?私が見る限り、まだ十分に議論する時間は残されているし、各方面と交渉していくための武器は用意されつつあるように思うのですが。
どうなんでしょ?
…
もしどなたかコメントいただけるのであれば、直接、この件に関連するコメントはこちらのエントリのコメント欄へ、少しでも国家資格創設全般に関わりそうな内容であれば、「臨床心理士の職業的専門性と資格を考える有志の会」要望書に関する疑問(13/08/03)のコメント欄に投稿お願いします。