心理・精神医学本

【やっぱり】摂食障害の精神分析的アプローチ【すごい】

更新日:

06/09/18のエントリ、【日心臨参加記録】チェックした本を挙げてみるよVol.1【2日目】で取り上げて

あと、今、切実に欲しい本。

とか言っておきながら未購入だったこの本、ようやく購入いたしました。

摂食障害の精神分析的アプローチ―病理の理解と心理療法の実際 摂食障害の精神分析的アプローチ―病理の理解と心理療法の実際
松木 邦裕 鈴木 智美

金剛出版 2006-07
売り上げランキング : 110363

Amazonで詳しく見る by G-Tools

psy-pubさんの心理学の本(仮題)でも大絶賛の一冊です。
【ダジャレだったり】摂食障害の本を紹介【不発だったり】(06/06/28)
aN apPLe A DaY kEEp THe DoCTor aWaY~コアを究めて普遍をなす~(06/09/04)


松木氏による摂食障害本というと、わたくし的にはこの本なわけですが

摂食障害の治療技法―対象関係論からのアプローチ 摂食障害の治療技法―対象関係論からのアプローチ
松木 邦裕

金剛出版 1997-12
売り上げランキング : 302086

Amazonで詳しく見る by G-Tools

って今、Amazonで検索してみたら在庫切れじゃないっすか。
良い本なのに…。そうかぁ…もう10年も前の本なのか…。
学生当時は対象関係論の基礎の基礎もよくわかっていない状態で(今は理解しているのか?と聞かれたらそれも怪しいのですが)、とりあえず摂食障害に対する興味だけで読んだわけなんですが、読了して「ほえ~」となった次第。
「こういうケースの見方があるのか」と。
で、それから9年あまりの年月を経て出版されたのが冒頭で挙げた『摂食障害の精神分析的アプローチ―病理の理解と心理療法の実際』です。松木氏は編者の一人ではありますが、本全体が松木イズム(猪木イズムみたいね)で貫かれております。
psy-pubさんも取り上げておられるように、とにかく出版社のページの松木氏本人による紹介文が熱いです。私の薄っぺらい感想なんぞ読むよりも、まずはそちらを読んでいただければ「買わねば!」となることうけあいです。
摂食障害の精神分析的アプローチ 病理の理解と心理療法の実際 紹介より
ちょこっとコピペ。

 本書は,治療実践のための書です。実際に摂食障害の治療にかかわっておられる方は体験的にご存知であろうと思いますが,摂食障害への多様な治療法をたいていの場合異なる筆者が列記した,いわゆるガイドライン的書物は今日両手にあまるほど多く出版されています。だがそれにもかかわらず,それらの書物は摂食障害をあまり知らない方にはいくらかの頭の整理にはなっても,その方たちにとっても治療の実践にはまったく役に立たないものです。
 なぜなら,もともと慢性経過をとるパーソナリティの病である摂食障害は,限られた期間での限られた症状への対応や,こころの問題に十分に深く目を向けることなく,治療の多手技を安易に織り交ぜた治療対応では決してよくならないからです。もちろん,形式だけの治療プログラムを一通り通過しただけで治るということが起こるはずもありません。
 もうひとつ指摘しておきたいことは,精神医療や心身医療の今日の傾向として,「エビデンス・ベースト・メディスン」という標章のもとに浅薄な診断基準や症状評価基準が作成され,その結果,実際には治療や援助できていないものをあたかも改善しているかのように判断するあやまちがはびこり始めています。本書に記載していますように,摂食の問題として受診してきたとしても,その精神病理をきちんと把握しないことには適切な治療への手立ては見出せません。また,中核的な摂食障害にしても,拒食,過食といった表層の症状で断片的にとらえることでは,治療は表面をなでるだけで終わってしまいます。摂食障害はパースンの病であり,つまりパーソナリティの病なのですから,その精神病理を精密に見立てることは必須なのです。
 おそらく,多くの臨床家は,これらの診断や治療対応,手技に内心不満を抱き続けておられるのではないでしょうか。

いやあ、さすがとしか言いようがないです。
この本の何がすごいって、精神分析の理論にとどまらない実践的アプローチが満載です。松木氏ご本人が書かれた「第1章 対象関係論から理解する摂食障害の病態とパーソナリティ-そして、それに基づく分析的臨床」を読むだけでも、実践面で得るものは多いと思います。
そして摂食障害治療に関する各種論文もまたすごいのですが、興味深いのは「第3部 コンテイニング」で述べられている「摂食障害患者の看護の実際」、そしてこれまた松木氏による「摂食障害治療でのマネージメント」についてです。
我々心理職が見逃しがちな(って、まともな人は決して見逃したりはしないことだとは思いますが)側面からの知見を提供してくれています。
全体を通して「地に足の着いた実践書」という感じです。病院臨床に携わる人はもちろん、思春期・青年期臨床に携わる全ての人に読んでおいてもらいたい本です。特に学校臨床メインでやってる人なんかにとっては、摂食障害は無視できない疾患でしょうし手元に置いといてもらいたいな、と。
3/12AM8:00現在、Amazonの在庫は3点だそうで。お買い求めの方はお早めにどぞー。

1日1回クリックして順位を確認後戻ってきていただけると大変ありがたかったり学問・科学ランキング

-心理・精神医学本

Copyright© ロテ職人の臨床心理学的Blog , 2020 All Rights Reserved.