これはまた、なかなか面白そうな本が出ました。
精神科臨床ケースプレゼンテーションの技術―(認知)行動療法から学ぶ 飯倉 康郎 金剛出版 2010-10 |
精神科臨床において,自らのケースをプレゼンテーションすることは,非常に有意義な訓練になります。なぜなら,問題の評価や介入方法,結果を「具体的」にまとめて説明することは,臨床技術の向上にもつながると考えられるからです。
この「具体的」にまとめるという手段は,(認知)行動療法の重要なコンセプトのひとつであり,この本の特徴でもあります。
本書は「具体的」なケースプレゼンテーション法を「具体的」に記した,まさに(認知)行動療法の考え方を基にしたプレゼンテーション技術の解説書です。ケースプレゼンテーション初心者(研修医,精神科医,看護師,臨床心理士,作業療法士,ソーシャルワーカーなど……)向けに「具体的」でわかりやすく,ケースプレゼンテーション法を解説しています。
第一部では「臨床現場におけるケースプレゼンテーション」や「学会などの公開の場でのケースプレゼンテーション」などケースプレゼンテーションの方法論が書かれています。また,第二部はケースプレゼンテーションの症例が例示されており,第三部では実際にケースプレゼンテーションを行うために必要なプロセスが説明されています。そして,第四部にはこの本に出てきた専門用語の解説も掲載されており,精神科領域初心者の方にも読みやすい本です。
題名だけ見ると、一瞬「(認知)行動療法のケースプレゼンテーション」かと思いきや(それも言及してないわけじゃないですけど)、ケースプレゼンテーションの技術について(認知)行動療法の考え方を用いて解説してみようというコンセプトの一冊です。
ちなみにいちいち(認知)ってついてるのは「行動療法では必然的に認知も扱うことになる」という著者の考えから。
ケースプレゼンテーションとか症例提示に関する読みやすい本って意外に少なかったりするので「なんかいい本ないかな?」と探してる人はとりあえず買っとけって感じ。
つか、その手の本でおすすめをご存じの方いらっしゃったら、是非教えていただきたいです。個人的に。
そんな感じで、今日もちょっぴり手抜き気味更新でございましたとさ。