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【デザインが】講談社現代新書3冊【変わった!】

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以前、この本をご紹介しました。

わが子に教える作文教室
わが子に教える作文教室 清水 義範

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元々私は、著者の清水義範氏が好きで文庫なんかも出る度にチェックしてはいて、この本も書店で見つけて早速購入してみたわけで。
で、読んでみると大変良い本でしたよ。表題にあるような「作文の書かせ方」というだけの本ではなく、広い意味での「教育書」なのではないかと思います。
「けなす」のではなく「ほめる」指導を、なんてのは自分の子どもの教育においては基本中の基本でしょうし(でもそれがなかなかできないんですよねぇ…)、学校の先生(の中でもとりわけ頭の固い人)が好きそうな「よい子」の作文ではなく、もっと自由な枠組みで…ってのも一つの教育論としては充分「アリ」です。
「作文教育に『道徳』を持ち込むな」って主張は「心理職になるのは『優しい人』じゃないと」なんて馬鹿げた考えを持っている人に聞かせてあげたいものですよ。
作文の善し悪しがその作文に含まれる道徳的価値観によって決まるわけじゃないのと同じように、臨床家としての技術が高ければ普段のその人が優しかろうが冷たかろうが関係ないわけで。もしその人の「冷たさ」が臨床場面でクライエントに悪影響を及ぼすとしたら、それはその人の技術の低さの問題であり、そして同様に臨床家の側の「優しさ」が出てくることでクライエントに悪影響を及ぼす可能性も充分にあるのですよ。
…って思いっきり脱線してしまいました。
とにかくこの本、良い本です。それほど時間をかけずにさらりと読めるのも良いです。
そうそう。本書ではあの「ブログの女王」眞鍋かをりの小学生時代の作文も批評してたりします。
子どもを持つ親だけじゃなく「文章書くの苦手なんだよなぁ…」って大人にもお薦めです。
そういう人には同じ作者のこれもお薦めしますよ↓

大人のための文章教室
大人のための文章教室 清水 義範

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ってことが本題なのではなく、タイトルにもあるように「講談社現代新書って装幀を新しくしたんですね」ってことが衝撃的だった…というのが本題なのでした。
講談社現代新書と言えば、あの黄色っぽい表紙に何だかエキセントリックな表紙の絵…ってのが個人的にはおなじみだったのですが、かなりすっきりとしたデザインに変わってます。
てか、もう変更してから1年以上経つのですね。書店で見かけてはいたのですが、あれが「講談社現代新書だ」ということに気づいていませんでした。てっきり講談社の新しい新書のラインなのかな程度で。何冊か買ってたのに気づかなかった…○| ̄|_
で、せっかくなんで、そんな新しい「講談社現代新書」で上記2冊以外のお薦めをば。

議論のウソ
議論のウソ 小笠原 喜康

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star書を読むための書:読書を高めるために
starメディアリテラシーの本

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当ブログでも以前から「ネットリテラシー」の問題といのは議論の中で取り扱っていますが(特に「実名」「匿名」関連で)、この本はレビューにもあるように「メディアリテラシー」を高めるための本だと言えます。
筆者は「少年犯罪は本当に凶悪化しているのか?」「『ゲーム脳』って本当なのか?その理論のどこが問題なのか?」「『ゆとり教育』批判は正しいものなのか?」「『携帯電話のマナー』を巡る諸問題」などの議論に関して、メディアに氾濫する情報を批判的に展望しながら、その情報を受け取る我々の側の問題も指摘します。
私も「ゲーム脳」や「少年犯罪の凶悪化」なんて問題は前々から「そもそもそれは本当なのか?」という視点から考えることができましたが「ゆとり教育による学力低下」などについてはそれほどデータをしっかり見ることもせず安易に「ゆとり教育批判」をしてしまっていたので、本書を読んで反省した次第であります。
議論下手だと思う人、議論の中で論理的思考が苦手だと感じている人、ブログにコメントを書いた際に自分ではまともな意見だと思っているのになんだかよく分からない批判を何度もされてしまうような人には強くお薦めしたい1冊です。
新書ってやっぱり手軽に読めるからいいですよね。たまには専門書(とマンガ)以外も手を出してみると良いと思いました。まる。

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