昨日書店で見かけたこちらの本。
認知行動療法に取り組む前の大前提として知っておきたいこと
臨床医が外来患者を診療する際に役に立つ精神療法の理論やテクニックについて、米国での長い臨床経験をもつスペシャリストがまとめた解説書。精神療法の位置づけという基礎的な内容から、患者とのラポートづくりや効果的な面接の技法といった実際の治療でのポイント、臨床でみかける機会の多い疾患の特徴と介入方法まで網羅的に解説。限られた時間でより有効な診療を行う手助けとなるであろう1冊。
表紙画像はこちら。
帯の「CBTに取り組む前に知っておきたいこと」が目立っておりますね。
出版社のサイトでは目次の他、序文も読めますよ。
・精神療法の基本(医学書院)
上記に引用した紹介文を見てわかるように、医師向けの本です。ただ、そのエッセンスは我々心理職の臨床にフィードバックできる点は多いのではないかと思います。
そして、著者の堀越氏の経歴を見ますと…
臨床訓練についてはネオフロディアンの最先鋒の一人であるLawrence E. Hedges先生(Listening Perspective Study Center)に最も長く指導を受けたことになる.
そう。現在はCBTメインで仕事をされているようですが、そのベースには分析系のトレーニングがあるわけですよ。そういえばBeckだって元々は精神分析のトレーニングを受けてたんですよね。
もちろん、CBTを使われる皆様全員に「分析の知識は必須でしょ」的なことを言うつもりはありません。でも、そうした知識がCBTや精神療法全般の実践に良い影響を与える部分も多かったりするのではないでしょうか。
目次を見ますと「第2章 対談:精神療法の疾患別アプローチ 」では、様々な疾患に対するアプローチとともに、「5.日本の精神療法を向上させるために 」なんてところも書かれていたりして。医学教育における精神療法の位置づけなんかの問題は、心理臨床家の養成にも繋がる部分があるんじゃないかと思うのです。
そんなこんなを踏まえた上で、この本はちゃんと読んでみたいなと思うわけでございます。
興味のある方は是非ともどぞー。