こんな本を発見。
理解できる高次脳機能障害 中島 恵子 三輪書店 2009-04-04 |
以下、三輪書店の紹介ページより抜粋。
近年の脳科学分野の著しい進歩により、脳卒中や脳外傷といった脳損傷後に起こる高次脳機能障害の病態・症状の詳細が知られつつあり、また対応や就労支援などについての動きが活発になってきています。
高次脳機能障害は目に見えない“脳の機能”の障害なため、「脳機能」に関する医学的理解がなければ高次脳機能障害への本質的な理解は難しいといえます。医学的な本質的理解がなければ、効果のあるリハビリ(対応法)を病院外来や生活の場で行うこともできません。ところがこの医学的理解が非常に難しいのが高次脳機能障害の特徴といえます。その難しいところを、イラストや理解しやすい文章構成で、ひたすらにわかりやすく書いたのが本書です。
確かに「ひたすらわかりやすく」は書かれていると思います。
上記リンク先の「内容をみる」のところでPDF形式の見本を閲覧できます。それを見ていただければわかるように、専門用語にルビが振ってあったり、そもそも字がやたらと大きくて非常に読みやすい…と言えばそうかもしれません。
ただ、この本って対象は誰なんでしょうね?
この形式だと患者本人や家族などの「当事者向け」って感じがしないでもないですが、内容的には専門家の卵…って感じもします。
今後、精神科領域においては、高次脳機能障害の知識はいっそう重視されるようになると個人的には感じております。実際、ワタクシも職場において神経科や脳神経外科からの心理アセスメントの依頼が結構多かったりします。
そんなわけで、学部生なんかがとりあえず入り口として読む分には良い本なんじゃないでしょうか。
神経心理学的検査の適用(どんな場合に使うか)とか、それらの検査所見からどう見立てるか…みたいな内容も(簡単にではありますが)書かれておりますよ。
ただ、実際に働いている人やそれなりに知識のある院生なんかには、やはりこちらがお勧めかと(って私も教えてもらったんですけどね)。
高次脳機能障害学 石合 純夫 医歯薬出版 2003-08 |
そしてアセスメント関連ではこちらがお勧め。
高次脳機能障害ポケットマニュアル 原 寛美 医歯薬出版 2005-12 |
新しい本もボチボチ出てますが、この辺は鉄板って感じがしますです。
興味のある方はどぞー。
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