震災から1ヶ月。
昨日も福島県いわき市では震度6弱という大きな余震があったりしましたが、様々なニュースを見ていると少しずつ復興への兆しは見え始めているのではないかとも思います。
さて、震災直後から心理学関連の書籍を出しているいくつかの出版社が、被災者の心理的支援を見据えて災害関連の書籍をウェブ上で無料公開(一部分の場合も)しています。どの出版社がどんな書籍を無料公開しているのかまとめてみましたよ。
全部読んでみたいという方はポチっとご購入できるようAmazonさんへのリンクも貼っておきましたのでご参考に。
以下会社名は50順です。
今回、弊社で刊行している書籍のうち災害救助・復興支援に関連する以下の書籍を、著作権者のご了解・ご協力の下、5月30日まで無償で公開いたします。被災者・被災地の復興支援活動に、少しでもお役に立てれば幸いです。
無料公開しているのは以下2点。
2004年12月のスマトラ島沖地震で甚大な被害を受けたインドネシア、スリランカ、インド、タイの四カ国での現地調査をもとに、被災地の救援、復興、発展(開発)に求められるものは何かを、文化人類学、防災、都市計画、建築など多角的な見地から論ずる。
未曾有の大災害をもたらした阪神・淡路大震災から早くも1年半余りが経過しました。近畿弁護士会連合会と連合会を構成する近畿2府4県の単位弁護士会は、震災直後から震災救援対策の諸活動に全力を傾注してきました。本書は、連合会が取り組んできました諸活動のうち、平成8年1月27日に開催されたシンポジウム「阪神・淡路大震災と人権」の中から高齢者・障害者・子どもの人権と住宅問題を取り上げて編集されています。
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本書の中で災害時のこころのケアに関連する以下の章の内容を、著者の清水將之先生のご了解のもと、当分のあいだ全文公開させていただきます。震災の支援に際し、お役立ていただければ幸いです。
清水將之著『災害の心理―隣に待ち構えている災害とあなたはどう付き合うか』より第9、11、12、13章をPDFにて公開中。
ベテランの児童精神科医が、自身も阪神・淡路大震災を体験し、その災害支援活動に携わった経験をもとに、災害とは何か、それが人の心にどのような影響を及ぼすか、市民一人ひとりがどのように対応すればよいのか、数多くの事例や見聞例をあげつつ、平易に解説する。自然災害だけでなく、人為的な戦争、事故、犯罪、児童虐待なども広く災害と捉え、そのもたらすトラウマや心のケアについて分かりやすく説いている。
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東日本を中心に地震に伴う火災や津波,原発火災などなどが発生しております。
現在は,命そのものや,ライフラインの確保,物資などの供給が支援の中心となっておりますが,心理的ケアの必要性も,一次援助が終わった段階から高まってくると思われます。小社刊行の「危機への心理支援学」(日本心理臨床学会監修)へのニーズが高まると考えられますが,書籍の流通がこの先どうなるのか不明であり,緊急事態に,このニーズを放っておくわけにはいきません。
そこで,小社では,「危機への心理支援学」オンライン版を,緊急刊行いたしました。
日本心理臨床学会支援活動プロジェクト委員会編『危機への心理支援学――91のキーワードでわかる緊急事態における心理社会的アプローチ』を全文公開中です。
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小社刊行の災害の法律問題についての論文で、現在品切で入手困難となっているものを、当分の間ウェブ上で無料公開いたします。
心理学関連ではありませんが、木内道祥著『新・借地借家法講座』第2巻・第3巻より一部公開中。
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地震・津波、放射線、心理学分野の書籍・本文無償公開 [丸善出版株式会社]
東北関東大震災(東北地方太平洋沖地震)により被害を受けられた方々に、心よりお見舞い申し上げます。
小社では、心ばかりではございますが、これまでに刊行した書籍のうち、災害、放射線、心理学分野に該当する文献の本文を公開させていただくこととしました。
多数の書籍を公開中。その中から心理学関連のみピックアップ。
ストレスに関係するあらゆるトピック(災害、薬物、気候、生化学、社会、疾患などの社会的・生体的なストレス反応のメカニズムや、各分野のストレス研究に関する科学的な事項)を、その派生的影響も合わせてまとめた、17領域545項目3500ページの事典となっています。翻訳にあたってアルファベット順を日本の読者が活用しやすいように五十音順に並べ替え、全5巻とし、刊行いたします。
それぞれの項目は、その分野で世界的に活躍しているエキスパートの手によるものです。翻訳版は「日本ストレス学会」の協力と、我が国のそれぞれの分野の訳者により翻訳しています。
本事典は日本応用心理学会の役員によって各分野の重要な項目が選定され、約240名にわたる会員の協力を得て執筆されたものです。細分化された現代心理学の諸分野の研究水準が浮き彫りにされ、今後の研究活動に有効な情報を提供しています。また、心理学に関心を持つ人びとが、心理学に対する偏った知識を無くし、心理学により興味を抱かれ、社会においてさまざまな問題解決に役立ていただきたいと願うものであります。
「こころ」の問題や病気を持った患者さんへの対応に自信が持てない内科医/プライマリ・ケア医に贈る本。原著は内科専門医から出発して精神科医となったシュナイダーらにより、米国内科学会(ACP)における教育プログラムをもとに執筆されたもので、内科医が身につけておきたい「こころの診かた」のコツや知恵がぎっしりとつまったテキストになっています。
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最相氏は、救援活動にたずさわる医師や看護師、カウンセラーら病院関係者、後方支援の方々、さらにこれから支援を考えておられる方々にこの記録を届けようとの思いから、素早くサイトを立ち上げられ、「災害がほんとうに襲った時」はその最相氏のサイトで閲覧できます。
中井久夫「災害がほんとうに襲った時」電子データの公開および無償頒布につきまして(最相葉月)
中井久夫編『1995年1月・神戸―「阪神大震災」下の精神科医たち』収録の「災害がほんとうに襲ったとき」を無料公開中。
また、関連書籍として以下2冊を刊行予定。
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以上、ワタクシが知る範囲で書籍を無料公開している出版社をまとめてみました。他に情報がありましたら、是非ともお教えくださいませ。