先日お送りいただきました、こちらの本。
入門! 子どもと思春期の精神医学
子どものこころの問題と支援に関連するトピックスをQ&A形式でまとめたものです。ご家族の方だけでなく,医療・教育・福祉の専門家,必読のヒントが満載。子どものこころの問題について,サクッとわかる1冊です。
感想を書いてみたいと思います。
まず第一に、まさに「サクっとわかる1冊」だったと思います。「かゆいところに手が届く」と言いましょうか。
出版元である遠見書房さんのブログでもこんな記述が。
遠見書房 発行人ブログ「チラ裏」: 【新刊】児童精神科医が教える 子どものこころ Q&A 70【出ました】
スクールカウンセラーや,教育相談所などのスタッフの方,学校の先生,養護教諭の方,子育て支援などに関係している方,今度,精神科クリニックで働くことになった方,研修医の方などの最初の1冊として──言うなれば,児童精神医学のガイドブックとして,使っていただければ,幸いです。
臨床を目指す,大学(3年生くらいの)の教科書にもいいかな,などと思っています。
そう。大学生であれば臨床行こうかどうか迷ってる感じの人には非常にわかりやすいでしょうし、現在、臨床現場で働いている人でも児童精神科領域に詳しくない人(ワタクシを含む)にはやはり役に立つ本だと思います。
いくつか印象に残った部分はありますが、私がもっとも良かったと思ったのはこちら。
p.167-168 「精神科医から同僚として臨床心理士へのアドバイス」のところ。
引用します。
医師が何を必要としているかを臨床心理士は知る必要があります。つまり医師はニードを伝えないといけません、そして臨床心理士はそれを探らねばなりません。
目の前の患者さんの心理検査や心理療法も大切ですが、土台のチーム医療としてのタッグをきっちり組んでいく土台作りも、治療以上にお互い重視していくことが必要でしょう。
まさにその通りだと思います。著者の姜氏は精神科医であると同時に臨床心理士資格保持者でもありますが、きっと心理職が一緒に働きやすい医者なのではないかと勝手に想像していたりします。
「あの人となら一緒に気持ちよく働ける」と言ってもらえる心理士を目指しましょう。
そうですね。それは医者の言うことにそのまま従うということではなく、お互いに信頼できるような関係を築いていくということなのだと思います(…自分は…できている…のかな?)。
その他、診療の基礎の基礎のところから、各領域の専門家への具体的アドバイスまで、ホントに「役に立つ」本です。
この領域に関わる専門家、将来関わりたいと思っている専門家の卵、そして当事者、家族の皆様。是非とも読んでみてくださいな。