「ご恵贈いただいたにも関わらず長い間ご紹介せずにいて大変申し訳ありませんでした」シリーズ第1弾!
多分、お送りいただいたのは軽く1年以上前だと思います。ほんとにすみません。
こちらでございます。
精神科領域のなかでも、対象者の精神状態がより不安定であり、司法等特別な処遇を受けている場合の多い依存症や触法精神障害者への支援方法を実践例をもとに対人関係技術やコミュニケーションを切り口にして解説。対象者の内面、実態理解を促し、受け止め方、支援の姿勢を深く考えさせる書。
出版社の紹介ページはこちら。
・対人関係とコミュニケーション(北樹出版)
北樹出版さんは大学教科書を中心とした学術専門書の出版社です。
で、こちらの『対人関係とコミュニケーション』。編著者の安齊順子氏(担当:第3章 人間関係におけるカウンセリング理論・第11章 触法精神障害者への支援)は臨床心理士資格ももってらっしゃる臨床心理学者なわけなのですが、他の編著者、著者を見ると、専門が看護学の方、看護師の方が多いようです。
ということで、この本が想定している主たる読者は看護学生のようです。欲を言うならば、表紙を見た時点で「看護向き」であることがわかりやすいと良かったかなと思いますです。はい。
目次はこんな感じになっております。
第1章 看護と対人関係:対人関係に関する看護理論の展望
第2章 看護に役立つ心理学の知識
第3章 人間関係におけるカウンセリング理論
第4章 共依存
第5章 依存症概論
第6章 依存症の当事者に対する支援者の認識
第7章 精神科病院で出会う依存症の当事者
第8章 依存症の当事者の地域生活の実態とそれへの支援
第9章 女性の依存症の当事者に対する支援
第10章 依存症の当事者の家族に対する支援
第11章 触法精神障害者への支援
第12章 青年期の心の問題
第13章 看護における対人関係とコミュニケーション 再考
おおまかに分けると、看護における対人関係技術やコミュニケーションに関する理論、看護に役立つ心理学の基礎から、依存症、触法精神障害者、青年期の心の問題と支援を中心に、実際の関わりの事例を多数盛りこんでおり、今後、こうした事例に関わるであろう看護者にとって大変役立つ内容になっていると思います。
看護学生や現場で働く看護師の方々のみならず、こうした症例に関わる機会の多い心理職やその他専門職の皆さまにとっても参考になるのではないでしょうか。
個人的には各章の最後、引用文献の前に「図書案内」がついているのが良いと思いました。その分野をさらに理解するための図書が挙げられているので、それを頼りにさらに理解を深めることができるはずです。
そんなこんなで興味がある方はぜひともポチっとどぞー。