兵庫教育大学大学院の冨永良喜氏のブログ、ストレスマネジメントとトラウマの昨日の記事でも取り上げられておりますが、衆議院議員河村建夫氏のFacebookページ、T's PARKにて5月中の法案提出を目指している旨の記事がアップされてます。
・国家資格・公認心理師-河村建夫議員のブログより(ストレスマネジメントとトラウマ)
河村氏のページより引用しながら気づいたことなどをコメントしたいと思います。
各都道府県の臨床心理士会の会長と事務局長が都内で一同に会されている会議に、臨床心理士国家資格化法案を目指す議員連盟会長として講演しました。
返す返す思い返してみれば、臨床心理士の国家資格化については、大変親しくさせていただきました故河合隼雄文化庁長官からの私に対する遺言なのです。
正確には「臨床心理士国家資格化法案を目指す」ではなく自民党の「心理職の国家資格化を推進する議員連盟」ですね。
参考:心理職の国家資格化関連の動きに関するお知らせ 資格関連委員会委員長 奥村茉莉子
臨床心理士会関連の会議で講演されたとのことで、その流れでの誤記なのだとは思いますが、当事者としてはかなり気になってしまいます。
「臨床心理士の国家資格化」では決してないので、正直こういう誤りはなくしていただきたいものです。
法案化(現在は、仮称「公認心理師」法案)を目指して紆余曲折ありながら9年が既に経過しています。
医療側、臨床心理士側など様々なステイクホルダーの調整をし、今国会での法案提出、成立を目指していきます。
私は初耳です。この「公認心理師」という名称。今までは「心理師(仮称)」だったかと思うのですが、「公認」が付いたのですね。
あとこの「医療側」という言葉ですね。これは恐らくは「日本精神神経学会」「日本精神神経科診療所協会」「日本総合病院精神医学会」などを含む精神科七者懇談会(通称;七者懇)に含まれる医療団体のことですよね。
しかし、私なんかは医療機関の心理職ですので「医療側、臨床心理士側など様々なステイクホルダー」と分けられてしまうと、何だかなーという感じだったり。ちなみに「ステイクホルダー」というのは「利害関係者」のことです。
具体的には今月中に法案骨子案をまとめ、各党協議及び了承を得て、5月中に法案提出まで漕ぎづけたいと思っています。
5月中ですか…。これまでの流れを考えると「時間がかかったなあ」という感じであると同時に、「今月中に法案骨子案をまとめ」「5月中に法案提出まで漕ぎつけたい」と言われると、「え?そんなんで間に合うの?」というような思いも正直なところあります。
3.11の東日本大震災をはじめ、現在まで学校のみならず、医療、司法、産業、自衛隊などの現場でご活躍をしておられてきた臨床心理士の皆様に十分考慮した法案化を目指していきます。
いやいや…あたかも“臨床心理士の皆様”に特別に配慮されているような発言は、いらん揉め事の種になりかねないかと…。それこそ様々な「ステークホルダー」がいるわけですから。それは恐らく国会内においても。
もちろん、千軍万馬の政治家である河村氏のことでしょうから、その辺は当然織り込み済みなのでしょうけれども。
そして、一昨日のエントリ、臨床心理職の国家資格案の取得条件として学部卒が入ってるのは全心協が元凶だったんだ!な、なんだってー(AA略で取り上げました、日本臨床心理士会の資格法制化プロジェクトチームの委員の一人である今井たよか氏のTwitter(@hiyoccoo)の発言
心理の資格法が成立するために、どうしても医療団体が反対しないことが必要とされる現状の中で、何が医療団体の真意なのかは見えやすいとは言えません。少なくとも、全心協の主張と医療団体の主張を分けて考えて置く必要はあると思います。
— tayoka imai (@hiyoccoo) 2014, 4月 19
資格法上程直前と言われる中、「医療団体がこう主張しているから」ということでどういう条件が出されるかまだわかりませんが、みなさん注意して冷静に見ていてください。
— tayoka imai (@hiyoccoo) 2014, 4月 19
とまあ、他人事のように話されておりますが、今井氏(そして臨床心理士会)も「ステークホルダー」なわけで、そうした利害関係者の発言に関しては確かに「注意して冷静に見ていく」必要があるし、その発言の意図については妄想的になることなく、しかし想像力を働かせて理解していくよう試みる必要があるでしょう。
…という私の発言も、同様にそういった視点で見ていただけたらと思います。
これから資格関連については激動の時期になりそうです。今後とも皆様にとって有益な情報提供が出来ればと思います。
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…とここまで書いた時点でトンデモない情報が入ってまいりました(…というか、私もとある筋から話はうかがっておりましたが)。
公式の情報が出るまでは皆さん落ち着いて行動いただけたらと。
仰天情報を入手!心理師案に、医療団体(精神科七者懇?)からの要望が盛り込まれる公算大に。「医師の指示」条項の大幅拡大か⁈クライアントに主治医がいる場合、医療機関外でも主治医の指示を受ける必要⁈これは全く現実にそぐはない、かつ心理の専門性を大幅に制限する馬鹿げた条項です。
— 臨床心理士有志の会 (@cpyuhshi2013) 2014, 4月 20
公認心理師案の骨子が内示されその中身を複数のソースから確認しました。やはり、医師の指示条項から「医療機関内」という限定が外されています。馬場禮子氏の個人的意見書を入手。以下にツィートします。
— 臨床心理士有志の会 (@cpyuhshi2013) 2014, 4月 21
公認心理師法案要綱骨子案への疑問点。 「1、定義 専門職としての行為に心理査定、心理療法が入っていない。これは「心理師」にとっても重要な仕事なので、これが入っていないと後に困ることになる。2、「三 受験資格」に学部卒が入っている(三の2)
— 臨床心理士有志の会 (@cpyuhshi2013) 2014, 4月 21
二資格一法案の場合には医療心理士資格があったから学部卒を入れたが、今回一資格なので、学部卒を入れないでほしい。入れると、学部卒の研修生が職場に大勢入って来ることになり、仕事の質が著しく低下し、ユーザーに多大な迷惑をかける。
— 臨床心理士有志の会 (@cpyuhshi2013) 2014, 4月 21
最低修士2年の基礎教育を受けたものでなければ心理職の職場には入れないようにする必要がある。 3 「四 指定試験機関」指定試験機関に(公財)臨床心理士資格認定協会がなることを希望する(四の1)。この協会は、他の心理学の機関よりも資格試験の実績がある。
— 臨床心理士有志の会 (@cpyuhshi2013) 2014, 4月 21
これを引き受ける場合には、現在の法人とは別組織になる。 4 「三 指定登録機関」これについても、(公財)臨床心理士資格認定がすでに経験している業務である。別組織として引き受ける準備がある。
— 臨床心理士有志の会 (@cpyuhshi2013) 2014, 4月 21
5 「第四 義務等」の「一 義務」の3「主治医がある場合には」、相談の場が学校など教育機関であっても主治医の指示を受けなければならないのか?それは学校等の機関との摩擦が生じる難しい問題であろう。「医師の指示を受ける」のは、医療(医師主導の業務)が行われる場に限るのではないか?
— 臨床心理士有志の会 (@cpyuhshi2013) 2014, 4月 21
6 「第四の二」名称の使用 もし、上記のような我々の要望が通らず、現在の臨床心理士より質の低い国家資格ができる場合には、「臨床心理士」を存続させなければならない。その場合、「臨床心理士」の名称使用は欠かせない。使用できるようにして頂きたい。
— 臨床心理士有志の会 (@cpyuhshi2013) 2014, 4月 21
7 「第六 その他」の「二 経過措置」現任者は無試験の特例措置をつけてほしい。8 その他の疑問(1) 教育内容、カリキュラム等に関する規定がないが、どうなっているのか?教育内容如何によっては、心理職の質を担保できない怖れがあるので、非常に重要な項目である。
— 臨床心理士有志の会 (@cpyuhshi2013) 2014, 4月 21
(2) さらに「第四の一の4」に「資質の向上」が挙げられているが、これを具体化するには資格更新制度がぜひとも必要である。他の専門資格に更新制がない、前例がない、というのがつけない理由だと聞くが、それならば、この資格を前例にして頂きたい。他のどのような資格にも必要な筈である。
— 臨床心理士有志の会 (@cpyuhshi2013) 2014, 4月 21
心理師法案骨子「主治医がある場合には」、相談の場が学校など教育機関であっても主治医の指示を受けなければならないのか?それは学校等の機関との摩擦が生じる難しい問題であろう。「医師の指示を受ける」のは、医療(医師主導の業務)が行われる場に限るのではないか?」
— 臨床心理士有志の会 (@cpyuhshi2013) 2014, 4月 21
@cpyuhshi2013 このような条項を認めてしまうことは、これまで築き上げてきた臨床心理士の専門性を否定するに等しい行為です。日本臨床心理士会執行部は断固反対するべきです。これまでの三団体案になかった条項をこういう形で入れてきたことにも強く抗議するべきです。
— 臨床心理士有志の会 (@cpyuhshi2013) 2014, 4月 21
(小声で)…ほーら。だから国資格はそれを持ってるだけじゃ「役に立たない資格」にして臨床心理士を存続させた方がいいって私はずっと言ってたじゃないですか…
まずは公式情報の更新を待ちましょう。その間、皆様も中での意見・考えを固められるのが吉かと思います。