一般の方々からすると全くもって「内輪もめ」としか見えないような心理職の国家資格創設関連の動きがなかなか激しい昨今、皆様いかがお過ごしですか?
この現状に関して、先日、児童精神科医であるafcpさんが外部から見た冷静な状況をまとめてくださっております。未読の方、必見ですよ。
・心理職国家資格化 法案提出への動き(A Fickle Child Psychiatrist)
この中で、afcpさんはこうおっしゃっております。
現状でもっとも問題だと感じるのは、心理系の諸資格が乱立しており、消費者からみたときにわけがわからない状況になっていることです。
この一点だけを考えても、国家資格化を急ぐ理由があると思います。
そうなんです。
そして、こんなツイートもされております。
臨床心理士資格に恨みはないし、むしろ恩義も感じているが、心理界隈の資格の乱立と、一強であるにも関わらずその状況に歯止めをかけなかった臨床心理士集団を見ていると、国家資格化にあたっては巻き添えを食ってもらうしかないかな、と思ったりもする。
— afcp (@afcp_01) 2014, 4月 20
こうなっていまった大きな原因の一つとして、当の臨床心理士内部ですら、一枚岩ではなかったということが挙げられるかと思われます。
その辺りは河合隼雄氏の偉大「すぎる」功績とか、色々あったりするわけですが、とにかく根深い問題だなあと思うのでございます。
さて、その辺りを踏まえた上でようやく本題。
先日、日本心理臨床学会の役員(理事・監事)候補者選挙速報が発表されました。
心理臨床学会は臨床心理士の職能団体である臨床心理士会とは別組織ではありますが、構成メンバーはかなりの部分が重なっているはずです。
で、この候補者の面々の専門領域別に分類したり、さらに得票数で重みづけしてみたりすると、どの学派が本当に力を持っているのか?がわかるんじゃないかと思ったんです。
選挙速報は「会員限定」の情報ですが、まあ数字を出すくらいならいいんじゃないかと(勝手に)判断しまして。
ただ、今、ちょっと疲れておりまして、さすがにめんどくさいな、と。そんなわけで3分ほどであきらめました。
とにかく私が言いたいのは何かというと「臨床心理士も一枚岩ではない」ということです。
そして「現状での動き方を誤れば、国家資格資格が成立した際に、同じ臨床心理士でありながら養成課程などに関わる影響力が損なわれる可能性もある」ということです。
さらに、心理系の団体は臨床以外の団体も含まれています。そして医療団体の思惑も関わっています。とにかく、臨床心理学界だけの話ではないということなのですが、臨床心理学界内部の動向にも目を向ける必要があります。
今は「偉い先生がこう言っているから」ではなく、同業者の皆様は冷静に状況を観察し、そして自分自身の考え・意見をまとめておくべきです。
私も少なくとも公式情報が出るまでは静観です。そして、各団体が公式に情報を出してこないことも何らかの意味があるのではないかと思ったり。