臨床心理学 趣味

とある心理士の復興支援(ミクミクダンス) #ロテ職人の臨床心理学的Blog10周年

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ネピリムさん(twitterID:@NEPHILIM4450)よりご寄稿いただきました。
どうもありがとうございます。


はじめに

ロテ職人様のブログをご覧の皆様はじめまして。ネピリムと申します。

普段は認知症を専門としている臨床心理士で、ツイッター(@NEPHILIM4450)でも認知症の事や、艦これの事、日々のくだらないことなんかを細々と呟いております。

日ごろから勉強させていただいているロテ職人様のところで、面白い企画がありましたので、それに乗っかって楽しませていただきたいと思います。

題して…

とある心理士の復興支援(ミクミクダンス)

復興支援─何ができるのか?─

東日本大震災―

2011年(平成23年)3月11日(金)に発生し、甚大な被害をもたらした大規模地震災害。

多くの臨床心理士がそれぞれのスキルを活かして活動されたと思います。

実際に現地へ赴いた方
現地にはいけなくても、その場でできる支援をされた方
心理士としてではなく、ボランティアとして参加された方

私も「こころのケアチーム」の一員として現地へ赴いた一人です。ただスキル不足もあり、十分な活動ができたとは思えませんでした。

だからこそ、別の形での支援ができないかとずっと考えておりました。

ここで話が一度変わります。

MMD杯とは

MMDという3DCGソフトウェアがあります。

MMDとは『MikuMikuDance』の略で、「樋口M」こと樋口優氏が個人で開発し、自身のウェブサイト「VPVP(Vocaloid Promotion Video Project)」で無償公開しているフリーの3DCGムービー製作ツールです。

端々に見えていますが、Vocaloidの初音ミクを躍らせるために開発されたソフトと言ってもいいでしょう。

VPVP(Vocaloid Promotion Video Project)

そんなMMDを使って作ったた動画を投稿しあうお祭り「MMD杯」が半年に1回開催されています。

トウナ ステイション

そのMMD杯の第9回に次の動画が投稿されました。

この動画中に出ていた東名駅は実在していた駅です。ただ東日本大震災によって大きな被害を受け、無期限での営業停止となりました。そして最終的に東名駅は、内陸部に移設されることが発表されました。

在りし日の東名駅(google画像検索から)

在りし日の東名駅

被災直後の東名駅(google画像検索から)

震災直後の東名駅

現在の東名駅(ネピリム撮影)

現在の東名駅

動画中に見られた、あの東名駅の風景はもうMMDの中でしか見ることができません。

私はこの動画に大変心揺さぶられたのですが、それは私だけではありませんでした。国土交通省外局の一つ、観光庁の中の人もその一人でした。以下その観光庁の中の人のコメントです。(コメント元は後述のMMD杯ホームページに)

2011年3月11日。その日から、国民一人ひとりが復興に向けて何ができるかを考え、悩み、実践してきました。観光庁としても、観光庁にできることは何なのかを考え、日々取り組んできました。そういった取組の一つとして、義援金でなくても、ボランティアでなくても、旅行や仕事で被災地に行くことが復興につながっていくんだというメッセージを国民の皆さんに伝えていこうということを進めています。

そんな中で出会ったのが、「【第9回MMD杯本選】トウナ ステイション ~或る日常の風景~」です。5分半の再生時間が終わると、2年前の3月11日に失ってしまったもの、これからこの国が取り戻していかないといけないもの、そういったものに思いを馳せざるを得ませんでした。作品に表現するということの力の偉大さ、創造力に圧倒されました。第10回MMD杯に投稿された作品を拝見しても、その思いは変わっていません。内容は様々でありながらも、作品の一つ一つが大きな説得力を持っていました。観光庁の言葉の弱さを痛感しました。

このコメントを皆さんがご覧になるのが2013年3月9日。あと2日で丸2年が経ちます。観光庁から、皆さんへお願いです。私たちと一緒にメッセージを発信してください。被災地に行こう。旅行でも、仕事でも。被災地に行こう。そんなメッセージを皆さんの作品の力で伝えてください。観光庁の言葉だけでは、まだまだ足りないんです。どうか皆さんの力を貸してください。観光庁から、MMD杯を愛する全ての方へ、お願いです。

臨床心理士としてだけではない支援

臨床心理士としてだけではなく、何か支援ができないかと悩んでいた私は考えました。一人でも多くの人が東北に興味を持って、観光に行って、お金を落としていってもらう。そういう形の支援ができるんじゃないか?

でもMMDは趣味のレベルで投稿できるほどではない・・・。

なら!MMD杯の運営したらいいんじゃないか!?

↓その結果
MMD杯運営クレジット

第11回MMD杯はテーマに「東北行に乗って」という直接的なメッセージを乗せて走りだし、2013年9月に無事に終了することができました。もしどんな動画が投稿されたのか?と興味を持っていただけたら、公式ホームページからご覧ください。

MMD杯公式ホームページ
https://sites.google.com/site/mmdcuphp/home

ただ「お祭り」なので、ネタまみれの動画ばかりでございます(笑)

だから少しだけ個人的なお気に入りをご紹介します。

【第11回MMD杯本選】いつか見たバスの思ひで

【第12回MMD杯本選】緊急燃料輸送

MMD杯ととある心理士の隠れた思い

時は経て、現在第14回MMD杯が始まっており、また3月11日へとも近づいています。あの動画に出会ったことで、臨床心理士としてだけではなく、一個人としても東北に繋がる支援ができたのではないかなと思っています。

かくいう私も、昨年東北へお金を使うために、観光で向かいました。

牛タン

普段は面白ければOKと、いろいろな意味でギリギリで行っているMMD杯ですが、過去にある心理士が隠れた思いを込めてコッソリと参加していました。それが今回のお話させていただきました「とある心理士の復興支援」の内容です。

MMDの製作者、運営の方々、本当にお世話になりました。

最後にこのように個人的な思いを出す機会を与えてくださったロテ職人様、本当にありがとうございました。


こちらこそ、ご寄稿いただきありがとうございました。

私なんぞは「自分に何ができるのか?」と考えると、どうしても臨床心理士「としての」支援にこだわってしまうわけですが、少しでも役に立てるのならば、そんなことは些細なこだわりなのかもしれません。

今回、新たな視点を与えてくださったことにも感謝したいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

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