昨日に引き続き、こんなニュースを発見。
・うつ病治療を助けるP2Pネットワークツール(WIRED.jp)
ちょこっと引用。
「Panoply」は、不安障害やうつ病の患者向けの認知療法をベースにしたツールだ。コミュニティを構築し、互いの治療を支援し合えるようデザインされており、対照実験で効果が証明されたという。
ふむ。
P2Pとはつまり「ピアツーピア」です。
ピアトゥピアまたはピアツーピア(英: peer to peer)とは、多数の端末間で通信を行う際のアーキテクチャのひとつで、対等の者(Peer、ピア)同士が通信をすることを特徴とする通信方式、通信モデル、あるいは、通信技術の一分野を指す。
相当ザックリというと一対一の通信ではなく、多数の端末間の通信のことですね。
元論文はアブストラクトと気になった部分しか読んでないんですが(そして私の英語力の問題はあるわけなのですが)、この研究、対象者は臨床群じゃないんですよね。
とは言え…
研究のリーダーを務めたロブ・モリスがPanoplyの作成に取り掛かったのは、MITメディアラボでメディアアートと科学の博士号を取得するための研究の一環としてだ。同氏は大学院修了後、自らニューヨークで設立したKoko社で、Panoplyの商用化に取り組んでいる。
…ということで、実用化は間近ということなのでしょうか。この“Panoply”の効果についての実証研究はもう少し探してみたいところです。
特に気になる点としては、この研究では対照群で用いられたのは「筆記療法ツール」だったわけですが、これが端末を用いたコミュニケーションではなくリアルの集団認知療法だったりするとどうなのかなというところでして。
確かに
対照群は、3週間の期間中に筆記療法ツールを平均10回使用し、1回のセッションの長さは約3分間だった。一方、Panoplyを使った人々は、同じ期間に21回ログインし、1回のセッションは平均9分間だった。
ということで、毎日数分であっても利用することに効果があるのかもしれませんが、ネットではなくリアルの例えば週1回・60分間のセッションであれば合計時間はそれほど大きな差はないのですよ。
面と向かって行うよりも、P2Pシステムを使った方が効果が高いということになれば、これは結構面白いなと思うのですが、実際のところどうなんでしょ?
ともあれ、やっぱり認知療法なんかはコンピュータ利用と相性がいいですよね。今後の技術発展に引き続き注目していきたいところであります。