臨床心理学

【実名か】実は「本を書いてみませんか?」と言われたことがある【匿名か】

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心理学の本(仮題)のpsy-pubさんが06/01/17のエントリ、【実名か】匿名にもの申す【闘争か】でこんなことを書かれてますよ。

ま,何が言いたいかつうと,研究者なり,専門家の匿名ブログの問題は,応答責任ではないかと。
かように思うわけです。
その昔かどうか知りませんが,研究者である以上,「匿名」というのはありえなかったわけです。
だって,応答責任がないから。
でも,時代は変わりました。名前を伏せ,匿名で,ネット上ではありますが,さまざまな情報を伝えられるようになりました。
しかし,許されるのは応答責任がとれるコテハンのみのような気がします。コテハンってアイデンティティですもんね。
「(研究者の)良心」であるところの責任応答性についてクリアしていれば,つまり,「例:本名 △田□男=HN アリストレレス」のごとく,IDとして(突き詰めて)認知できるのであれば,匿名でもいいように思います。
とどのつまり,「連絡できる」ってことですね。

この文言について、私としては半分程度は同意します。


これはごく当たり前の話ですが、私は一人の「臨床心理学者(あるいは心理臨床家でもいいですが)」として「自身の研究(または臨床実践)の内容」について具体的かつ詳細に語る際は実名で行います。「匿名で」ということはあり得ません。
なぜなら、それが研究者(専門家)としての「応答責任」だと思うからです。
翻ってこのブログで書かれている内容について言えば、実は私の研究テーマだったり、臨床実践についてある程度具体的な記述はないはずです。後者に関して言えば、それを誰が見るか分からないネット上にアップするというだけで「エセ」確定で間違いないでしょう。
恐らく私の中には「臨床心理学者(あるいは心理臨床家)としての応答責任」がどこから発生するのか、その基準があるのだと思います。「学術論文」「学会発表」等での発言には確実に応答責任は発生します。しかし、ネット上での発言は必ずしもそれには当たらないと私は思います。だからこそ、こうやって匿名で発言しています(とは言え、前にも述べましたが信用に足ると思える人に対してならば、実名を明かすことには何の問題もありません)。
そして、実名でしなければならない(そしてネットではしてはならない)話があるのと同様に、やはり匿名だからこそできる発言・議論というのもあるのだと思います。実名・匿名に関する当ブログの06/01/15のエントリ、匿名のブログはどう「危ない」のか?)のコメント欄でぽちこさんがこうおっしゃっています。

昨年の「サンバじゃない」を始めとした数々の熱い議論は,参加する人が匿名であるからこそ成しえたものだと思うのですが。

まさにその通りで、ネット上での一連の資格問題に関する議論なんかは、匿名でなければできなかったと思います。私のようなぺーぺーが、資格問題について例えば学会なんかで実名で発言したところで、その内容が有意義なものだったとしても肩書きだったり経験年数だったりにこだわりがあるような人(少なからずいますよね?)にとっては「ペーペーの発言」でしかないわけで。
私だって自分の立場がわかっていますから、実名で「カリキュラムが云々」なんて話はできないですよ。「お前の実力でよくそんな偉そうなことが言えるな」「もっと実力をつけてからそういう発言をしろ」と言われてしまっては返す言葉はないですから(論理的な反論はできますがそれはしないでしょう。色々な理由で)。
匿名(というか一応同定可能なハンドル=仮名)だからこそ、純粋にその発言内容(+表現の仕方)で勝負できるという議論というのはあるわけですよ。
で、ここまで書いてみて、ネット上での「ロテ職人」というのは現実の私とはまた別のアイデンティティなのではないか、ということにようやく気がつきましたよ(つか、psy-pubさんもそこに論を繋げておりますが)。
恐らく私は学会等で「ロテ職人」として発言することはないと思いますし、顔(または実名)を出してしまった時点で私は「ロテ職人」ではなくなってしまうのだと思います。でもそこから「ロテ職人」に戻るのは可能です。ネットに繋げばそこにいるのは「ロテ職人」なのですから。
で、話はバンバン飛ぶのですが、私はこの議論の端緒となった06/01/14のエントリ、【皆さんの】臨床系ブログ・実名か仮名か【ご意見は?】をアップする前、実はあるキーワードで文献検索をしていたのでした。そのキーワードは「香山リカ」そして香山氏の本名であるところの「○○○○(一応非公開らしい:香山リカ (精神科医) - Wikipedia参照)」です。彼女は一体、本名とペンネーム?をどのように使いわけているのか調べてみたかったのです。
その結果は…
長くなりそうなので続きます(というかタイトルの内容までいきませんでしたorz)。

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