16/02/22のエントリ、浅井伸彦 著『あたらしいこころの国家資格「公認心理師」になるには ’16~’17年版』を読んでもいないのに批評してみるを受けて、出版社の方からご連絡いただき、ご恵贈いただくことになりました。
著者の浅井伸彦氏と編集の方には厚く御礼申し上げます。
さて、読んでみての感想を書く前に、まずは前回のエントリにいただいたコメントというか、出版社の方からのメールに添付されていた著者の浅井氏からのメッセージをワタクシのコメントつきでご紹介させていただきたいと思います。
ちなみにあのメッセージ全文掲載も十分「法人の不利益」に繋がると思いますよ。近々あのメッセージのどこが問題なのかブログで取り上げたいと思います。もし訂正する点があれば今回みたいにならないように先におっしゃってくださいね。 https://t.co/QK6hDZUF6d
— ロテ職人 (@rotemeister) 2016年2月28日
一応ご連絡いたしましたが、今回のメッセージに関しての訂正等のご連絡はいただいておりませんので、最終バージョンということでリコメントさせていただきますね。
無駄に長いので読まれる方は覚悟のほど、よろしくお願いいたします。
ではいってみましょー。
「忌憚ないご意見」言ってみました
ロテ職人様
たいへんお世話になります。「公認心理師になるには」の著者の浅井です。この度は、拙著をブログに取り上げていただきありがとうございます。「先行者利益狙いがあからさますぎてドン引き」と忌憚ないご意見をいただき、ありがとうございました。
いえいえ。こちらこそご丁寧にありがとうございます。
十年以上前よりブログは存じあげておりますので、ご高名なロテ職人様のブログに取り上げていただいたことは、「ある意味」感動物でございます(ドン引きされていますが)。Remeさんやcotreeさんにもご掲載いただいているので、もう少し早く発見されるかと思いましたが、意外と見つかっていなかったようですね。さすがに今回の書籍では、ある程度予想はしておりました。
以前からこちらのご著書を出されることを注目してはおりましたが、本業の方が色々と忙しくてなかなか扱えないでおりました。
ちなみに今回の件で、Remeさんやcotreeさんに対しての私の考え方が色々と変わりましたので、そちらに関してもいずれブログで取り上げてみる予定でございます。
刊行の目的はわかりますけど…ねえ?
> ただ、法律が制定されただけで
> 細かい部分を現実的に詰めていくのはこれからという状況の中で
> 「公認心理師になるには」を語るというのはどうなんでしょ?> 大学の養成コースだってまだ準備段階でしょうし、
> 結局現時点でわかるのはネットで得られる程度の
> 情報しかないと思うのですよね。こちらに関しまして、確かにおっしゃるとおりで、執筆当初から気にしているところではございます。そして刊行の目的に関しましても、できるだけ明確にしたつもりです。(Twitterアカウント @IPSA_psychology、あるいは表紙の文言、書籍内参照)
(私のブログ記事の引用部はわかりやすいように改行等加えてあります)
私が読んでもっとも“刊行の目的”がわかりやすいと思ったのは、ご恵贈いただいたご著書の冒頭「メッセージ」に書かれている部分でしょうか。
本書の目的としては、大きく分けて2つあります。
1つめは、
公認心理師に関するこれまでの情報をまとめた情報の縮約としてそして2つめは、
公認心理師ができることによって、これからの進路が変わりうる方々への警鐘として
(あたらしいこころの国家資格「公認心理師」になるには '16~'17年版冒頭「メッセージ」より引用)
うん。まあそうおっしゃるでしょうね。
「1つめ」はともかく、「2つめ」については早い段階で誰かがやらなきゃいけないことだとは思います。
で、その「誰か」が浅井氏である必然性が私にはよくわからないんですよね。この点に関しても近日中にまとめさせていただきたいと思います。
> この段階でこの本を書いちゃうあたり、
> 少なくとも度胸はある方なのかなと思いますが……。ありがとうございます。
いや、ホントに度胸があると思います。私だったらこの企画を思いついても(あるいは出版社から打診されたとしても)、自分の業界的な評判がどうなるか予想できますので書きませんし書けません。
気持ち悪いやつキター
> Amazonさんの著者ページってのもあるんですが
> 『快速マスター中国語』という語学関係の書籍が
> トップに来てるんですよね。
> そして、自分も業績に関しては他人のことを
> どう言えるような立派なもんじゃないんですが、
> CiNiiで調べたところ
> おそらく第一筆者としての研究論文はなさそうな感じです。ロテ職人様も、CiNiiでは少なくとも査読論文が1件しか出てきませんでした。見つかっていないだけかもしれませんが、実際のところいかがでしょうか。一度日心臨でお顔を拝見したことはございますが、ご挨拶はまだできておらず失礼いたしました。
はい、来ました。
この時点で私、自分の実名や所属等はお伝えしていないわけですが、さりげない(且つあからさまな)「お前の所属や名前は知ってるぞ」アピールいただきました。
Twitterでも言いましたが、私は実名や所属を隠しているわけではなく、悪意を持って聞いてきていると思われる方以外が正当な理由をもって質問してくるのであればちゃんと答えてますよ。
でも、ネット上で実名で活動されていて私に絡んでくるアレな人って、決まって私の実名や所属を教えてもいないのに、それを知ってることをアピールしてくるんですよねえ。
脅しなんでしょうかね?とりあえずその行為が気持ち悪いです。いや。キモいです。
「そんなつもりはございません」とかおっしゃる可能性も考えられますが、「キモい」というのは完全にこちら側の個人的感想なので、客観的に判断できないそちらの「意図」はどうでも言えるわけですのでどーでもいいです。
そもそも勘違いしている
「快速マスター中国語」と「快速マスター韓国語」という書籍は、最初に書いた商業出版の書籍ですが、44,000部と10,000部と、特に中国語の方がお蔭様を持ちましてロングセラーになっています(良すぎるほど評価をいただいています)。元々語学を学びながら、臨床心理学を専門としておりました。日本では、スペシャリストに対してジェネラリストというだけで「うさんくさい」とされるきらいがあるように思えますが、そもそも2~3種類の異なる書籍を書けば、本当の意味で「うさんくさ」くなるかというと、そのようなエビデンスはございません。
あの、私は「うさんくさい」なんて書きましたっけ?書いてないですよね?
言ってもないことに対して“エビデンスはございません”と言われましても、こちらとしては「何をおっしゃっているのでございますか?」という感じでございます。
論文についてですが、これまでは学会発表こそ行っているものの、自身で査読付きの論文を書くには手が回らず、大学教員の研究補助や大学紀要の投稿のみにとどまっていました。毎年、学会や研修会、研究会(専門は、家族療法・ブリーフセラピー・EMDR関係)にはできるだけ顔を出し、常に臨床については自分なりに研鑽をしているところです。また、そろそろ学術誌への投稿論文も視野に考えていますので、どうぞお見知り置きをいただければと存じます。
私がCiNiiやAmazonさんの検索結果を通して知りたかったのは、浅井氏の「心理臨床家・臨床心理学者としての専門分野」およびそこから見えてくる浅井氏の心理臨床家像です。別に研究をどの程度やっているかどうかはわりとどうでもいいです。
どうもこの辺りを勘違いされているようですね。
実際のところ、私も忙しさにかまけて(まあその他にも色々理由はあるのですが割愛)査読論文は今のところ一本しかありませんが、その一本を見れば大体、私の研究テーマはわかると思います。
少なくとも論文検索とアマゾンさんの著書検索からは、浅井氏の研究テーマはわかりませんでしたし、心理臨床家としてどんな方なのか見えてきませんでした。ただそれだけの話です。
そんなわけですので、語学の本がどれくらい売れたかなんて全く関係ないですし、興味もありません。ただ「売れてよかったですね」程度の感想しかないです。
「先行者利益狙い」を認めている時点で…
> うーん…先行者利益狙いというか、
> なんかあからさまな儲け主義の匂いが
> プンプンしてくるんですよねえ。
> そう感じるのはワタクシだけでしょうか?こちらに関しては、意見を述べさせていただきたいと思います。「先行者利益」であることは、客観的事実からも言えるわけですが、「あからさまな儲け主義の匂い」はプンプンいたしません。何をするにもお金はかかわってはきますので、完全無償のボランティアで全く収入を得ない聖人であるわけではありませんが、下記のようなことを考えております。
まず「先行者利益狙い」は否定しないわけですよね。
先行者利益とは前回も書きましたが「市場にいち早く参入するなど、既に先にいる者たちが得られるメリットのこと」であり、実際、浅井氏は日本で最も早く「公認心理師」に関する書籍を刊行した人となりました。後から書いた人は、例えばその職能団体など「公式」のものを除くと必然的に「二番煎じ」になるわけです。
で“「あからさまな儲け主義の匂い」はプンプンいたしません”と言われましても、それは私の個人的な感想なので、そう思う人もいればそう思わない人もいるというだけの話で。
私の中では「プンプンいたします」な話で、それを否定することに何の意味があるのか全くわかりません。
そして“下記”の部分ですが…
世の中には、精神分析やユング心理学、パーソンセンタード・アプローチ以外にも、数多くの心理療法があります。家族療法やEMDR、対人関係療法など、アメリカでは多く用いられているアプローチも、日本ではあまり脚光を浴びていないように思われます(認知行動療法でさえ、日心臨などではほとんど見られないように)。そういった様々な心理療法を広めていく中で、国家資格の創設は大きなチャンスと考えております。従来の力動的心理療法との対立構造ではなく、様々な心理療法が日本中に知れ渡り、現在は情報弱者であるクライエント自らが、自由に選択できる時代になればと願っております。
あれ?この本って公認心理師の受験を目指す人を対象としているわけですよね?その本に関して“現在は情報弱者であるクライエント”の話が出てくるってどういうことですか?
私はこの文脈が全くわからないのですが…
ご著書の「第4章 心理職のしごと〜心理査定、心理療法とその他の職務〜」の中の「Section3 心理面接・心理療法」の部分をおっしゃっているんでしょうかね?様々な心理療法名を列挙し、それに関しての2〜5行程度の解説をしている部分ですが…この程度の解説なら、最近の教科書を見ればいくらでも掲載されているような…。
とにかく「現時点で先行者利益狙いの公認心理師本を出すという『行為』は、私からするとあからさまな儲け主義の臭い(「匂い」から変更しました)がプンプンする」という私の中での感想は、今回メッセージをいただいても何も変わりませんでした。
悪評につながるような「誤り」はなかったようなのでなにより
@rotemeister “万が一〜”と書いたのは、ブログにあることないことを書いていただいた際に、誤りに対しては「違う」とTwitterで言明することによって、書籍の「誤りによる悪評」を防ぐためです。それ以外(法人の経済に資する活動以外)の用途に関しては使わない方がいいかと。
— 国際心理支援協会 (@IPSA_psychology) 2016年2月27日
以上より私がブログに「あることないこと」や「誤り」を書いている事実はないとおわかりいただけたかと思います。
なんか長くなりすぎてもアレですので、ここまでにさせていただきます。
今後とも何卒お引立て賜りますようよろしくお願い申しあげます。